トルコ南東部を行く⑬--円形のケバブをザクロ果汁のハイボールで
晩御飯をどこで食べるか、前もって特に決めていた訳ではなかったので、石畳のアンタキヤ旧市街をぶらぶら歩いて、なんとなく店の名前「ジャミーラ」にひかれてドアノブを押した。
賑やかな生演奏が流れるホールで、観光客とおぼしきグループが楽しそうにわいわいやっている。2階にも席があって、そちらに通される。
先客はいなかったので、下からの喧騒が聞こえては来るものの、まあまあ静かな空間だ。
まずは、エフェスビールを頼み、乾いたのどを潤す。最近は日本のレストランでも結構みかけるとはいえ、「トルコにやってきたら、エフェスビールを飲まないと」といつも思う。「エフェス・モルト」というラベルがあったとは知らなかった。
ビールを飲みつつ、前菜(メゼ)は何にしようかとメニューをめくる。
クルミと唐辛子のペーストというのを食べてみることにした。クルミは日本でもよく食べられるナッツ類だが、国が変わるとこんなにも料理法が変わり、味も変わるのか、と驚かされることが多い。唐辛子が結構入っているのか、エキメッキ(パン)ですくって食べていくと結構、汗が出てくる。もちろん、クルミのコクも強く感じられる。
そして、メインディッシュは、ハタイ名物だという「テプシ・ケバブ」にした。円形の平たく焼いたケバブだ。
パプリカ、タマネギなどの野菜に加え、唐辛子もはいっいるようで、これも結構辛い。つけ合わせの、タマネギとイタリアンパセリを、スマックという紫色のスパイスで和えたサラダを合間に食べながら、汗をかきながら。肉料理でありながら、野菜が結構使われていて、肉と野菜の調和が感じられる一品だった。
そんなテプシケバブを食べていた時、ようやく2階席にお客さんが上がってきた。6、7人の家族・親戚とおぼしきグループ。時々、歌も歌いながら盛り上がってい。1人の男性と目があったので、アイコンタクトであいさつしたところ、ドリンクを片手に隣席にやってきた。スコッチウィスキー(ジョニーウォーカー)をザクロジュースで割ったもの。ウィスキーの量がかなり多く、さすがにちょっときついな、と思ったが、ありがたくいただいた。ザクロジュース割、正直ウィスキーの味を殺しているんじゃ、とも思ったが、もし、アンタキヤを再び訪れることがあったら、この日の思い出とともにまた飲んでみたい。
夜が更け、店を出る頃になっても、1階は、ハタイ料理と酒を楽しむ人たちで賑わっていた。
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