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あらゆるものが商業化される現代を描くスリラー…「ドリーム・シナリオ」

往年のハリウッドスター俳優、ニコラス・ケイジが主演のいっぷう変わったスリラー。いや、設定がかなりありえないものだけに、奇想天外なコメディーともいえるのかも知れない。さらに言えば、あらゆるものが商業化の対象となる現代を風刺してもいるので、ピリ辛風味でもある。

夢の中に表れて、人を苦しめる「夢魔」が、実在の人間だったら? 「夢魔」である人物は、人々の反撃の対象になってしまうことになるだろう。それはかなり悲惨な状況だといえる。

ニコラス・ケイジ演じる平凡な大学教授は、そんな状況におちいり、うろたえているうちに、坂を転がり落ちるように窮地に立たされていく。

その一方、そんな一個人の危機的な状況に寄りそうでもなく、それを金儲けのタネにならないかと考える人たちがいる。たくましいというか、えげつないというか、そんな世の中。

スケベ心から、そうしたもうけ話に乗ってしまうと、自分を見失って、迷走してしまいかねない。そうしたビジネス至上社会のあやうさをも描いているといえるだろう。ジャンルは「スリラー」とはいえ、戦慄の連続というわけでもなく、鑑賞後の後味も必ずしも悪くはない。悪くはないが、「今の世の中って…」と、ちょっと淀んだ気持ちになって、考えさせられる作品ではある。

「ドリーム・シナリオ」は、11月22日から、丸の内ピカデリーなど全国の劇場で公開される。


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