人生の活路をムエタイで...イラン映画「マイデゴル」
逆境の中で、懸命に生きる女性を描くイラン映画は多い。特にイランの外で上映されるイラン映画にはそれが多い気がする。それは、イランのイスラム体制下の女性の人権状況に、国際的な関心が高いことと表裏一体なのだろう。
「マイデゴル」も、そうした作品群のひとつと位置付けられるのだが、さらにこの作品は、イラン国内で暮らすアフガニスタン難民問題、という要素も加わっている。
主人公の両親は、アフガニスタン生まれで戦火を逃れて隣国イランにやってきて、主人公が生まれた。イランで生まれながら、イラン人と比べてさまざまなハンディを抱えており、悪戦苦闘している。主人公は、実の父親からの暴力、母の家出、経済的困難などに苦しむ。作品にしばしば挿入されている、主人公が夜の暗闇の中、土漠を歩く場面は、出口のない闇を進んでいるような、彼女の人生を暗示しているようでもある。
そんな彼女の希望の光が、ムエタイ(キックボクシング)。熱心にジムに通い、国際大会での活躍を夢みているが、女性であること、アフガニスタン難民の子であることなどに起因する困難がある。
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