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日本で食べるマクルーバ③茨城・坂東「レッツイート」
アラブの炊き込みご飯「マクルーバ」の食べ歩きの3回目は、東京を出て、茨城県へ。日本の大河・利根川に近い、坂東市のパキスタン料理店「レッツイート」へ。参加したのは10人。食べ歩きを続けているうちに、マクルーバを食べてみたいという人が増えてきた。「わたしも」という人は、気軽にご連絡を。
マクルーバを食べるときののクライマックスは鍋で炊いた後、ひっくり返して中身を取り出す時(マクルーバという名前はアラビア語でひっくり返したもの、という意味)。今回は、大鍋のふたにアルミ箔を貼った「皿」の上で、ひっくり返し、鍋を外した。この瞬間、歓声があがった。ご飯のまわりにはタンドリーチキンが並べられているのはパキスタン風。セッティングした比呂啓さんが、「羊肉と鶏肉入りで」と頼んだ結果、こういう盛り付けになったようだ。さまざまなバリエーションがあるのもこの料理も面白さだ。
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調理したのは、パキスタン・ラホール出身のターレク・カマルさん。世界最大の石油会社サウジ・アラムコがある、アラビア東部州・アルホバルのパキスタン料理店で、シェフを3年務めたことがあるという。その時に、マクルーバの作り方を覚えたそうだ。アラブとパキスタン料理が共存するユニークなテーブルは壮観だった。
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サウジアラビアで調理経験があるシェフだけあって、サウジ独特の「サウジシャンパン」も登場した。日本で目にするのはこれが初めてで、これもサプライズだった。飲酒禁止の国で、アップルサイダーに果物と氷を加えて作るノンアルコールカクテル。「シャンパン」というネーミングもしゃれがきいている。りんごやミントが入っていて、さわやかな味わいが食欲をそそった。
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オードブルも盛りだくさんだった。ひよこ豆ペーストのホンモス。きざみキュウリ入りヨーグルトスープのザジキ、なすのディップ「ババガヌーシュ」、ひとくちケバブ、フライドチキン、オリーブ、野菜サラダ。薄型パンは焼いたものと揚げたものの2種。「アフガニスタン式」というナンも登場した。
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パキスタン料理としては、牛肉のニハリ、鶏肉と野菜のカレー、ラホール式フッシュフライ。フライにアラブ料理のディップ、ババガヌーシュやザジキをかけたら、また違った味わいを楽しめた。
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デザートは、パキスタン式の2種。陶器壺に入ったプディング「シャヒ・キール」は、バラ水の香りがほんのり。ピスタチオがトッピング。ラーメン鉢に入ったハルヴァは、ゆで卵が入った変わり種。セモリナ入りなのか、独特なつぶつぶ感の食感がいい。チャイは、陶器カップに注がれて出てきた。
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店舗は、日本料理店跡に、居抜きで入居したユニークな造り。駐車場も広い。玄関横には、シェフのターレクさんの大きな肖像画が飾られていた。
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茨城はちょっと遠い、と感じる人も多いだろうが、車で行けば、高速道路のアクセスも良く、意外に近い。アラブ料理ファンも、パキスタン料理ファンも一緒になって楽しめる店は、日本にそんなにないだろう。一度、おとずれてみる価値はあるユニークな場所だ。
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