【トルコ南東部を行く】⑲塩味チーズやピリ辛オリーブ...シンプルな朝食
トルコ南東部ガジアンテップ。朝早くに名物料理の羊雑炊「ベイラン」を食べに出かけて、ホテルに戻る。中庭に朝食が準備されていたので、満腹に近いおなかに鞭うって食べる。
チーズにオリーブ、そしてエキメッキ(パン)とチャイそれぐらいがあると、あとは何もいらない。トルコの朝食では、刻んでいないイタリアンパセリがどさっと盛られていることもあり、たっぷり食べられるのがうれしい。トルコの南隣のシリアでは、細かく刻まれて「タッブーレ」というサラダになる、あのちょっとクセのある野菜だ。
少し塩気のきいた白チーズ。唐辛子がまぶされていたり、ひと手間かけられたオリーブの実。トルコでは、人々が普段食べているようなものを朝食に出してくれるホテルに泊まりたい。
ガジアンテップは一泊だけの日程。昼過ぎには出発したいと思っていたので、残された時間はあまりない。
「バクラヴァの都」でもあり、最後に食べようと思い、カフェに出向く。そう多くはないけれど、さすがに朝でもお客さんがいて、バクラヴァをパクついている。
この店は、建物も重厚で、歴史を感じさせるたたずまい。こうした雰囲気でバクラヴァを食べられる場所はトルコ国内でもそうはないだろう。
ドリンクは、ピスタチオの一種を原料にした「メネンギッチコーヒー」をいただく。ミルキーで苦味がほとんどないマイルドな味わい。
金属製の器が、味わいをさらに引き立てる。トルコのカフェは、器も素晴らしいものが多く、それを愛でる楽しみもある。
店先にフレッシュピスタチオが山積みになっている通りをぶらぶらと歩いていると、目にとまったのは、ピスタチオフレークがふりかけられたクレープのような焼き菓子。
カットメルというガジアンテップ名物のお菓子だ。やはりガジアンテップのデザートにはピスタチオがついてまわる。食べてみたい気もしたが、もう食べられそうもない。ホテルに戻って荷物をまとめ、次の目的地を目指してバスターミナルへ向かった。