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トルコ南東部を歩く⑦--中庭に緑の木が茂る中東らしいホテル
アンタキヤでの最初の食事を終え、夫妻の車に乗せてもらい、中心部のロータリーで降ろしてもらう。10月のアナトリアは少し風が冷たくなっていたが、心地よくもある。
旧市街への入り口にあたる繁華街はまだ開いている店もあった。カフェの屋外席に座って、コーヒーを飲む。アラブ圏などで「トルコ・コーヒー」と呼ばれる、極細挽きの豆を小さな小鍋で煮詰めたものだ。
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あとで気づいたことだが、この街で、いわゆるトルコ・コーヒーはチャイグラスに入れられて出てくることが多かった。トルコ全体どみたら、小型のコーヒーカップ、場合によっては金属製のカバーがついた豪華なカップに入れられて出てくることが多いので、独特な感じがした。
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そろそろ宿に帰って寝ようと歩き出すと、菓子店から漂うに香りに足止めされる。ガスレンジにかけられた鉄板で、この街の名物のひとつ、キュネフェというお菓子が、きれいな焼き色をつけていた。キュネフェはトルコ全域で食べられるが、医師夫妻から「アンタキヤのキュネフェは特に美味しいから、滞在中に必ず食べないと」とアドバイスされていた。食事の後、「何なら、これから一緒に食べに行こう」とも言われたが、満腹で無理なので固辞したのだった。なんとも美味しそうな見た目と香りだったが、宿に戻る。
ホテルは、日本から予約サイトでとったプチホテルで、清潔感があり、居心地がよかった。
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2階の適度に日当たりのある割と広めの部屋。中庭には、大きめの木が茂っていて、日中、近所の人たちなのか、集まっておしゃべりに興じていた。
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こうした中庭という空間で過ごす時間は、日本ではなかなか得られない楽しみだと思う。次回に記す、朝食も中庭で食べたのだ。つくづくいい宿を選んだな、と感じた。
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