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映画『聖なるイチジクの種』が映す、イランの若者世代の変化と現実
モハマド・ラスロフ監督の映画『聖なるイチジクの種』の公開日が2月14日なのは、ある意味、絶好のタイミングといえるかも知れない。
イランのイスラム革命記念日(2月11日)の直後だからだ。1979年に起きた革命から46年が経過。若者世代の意識は変化し、より多様化している。人口約8500万人のうち、およそ70%が革命を実体験していない世代にあたり、イラン社会の骨格を成している。「革命の大義」や「イスラム的価値観」を基盤とする国家理念に対して大きな共感を持たない層が増え続けている。
筆者は新聞記者としてテヘランに駐在していた2009年から三年連続で革命記念式典を現地で取材した。その当時と比べてもイラン社会の変化は目を見張るものがある。2009年、テヘラン中心部の「アザディ広場」で行われた革命30周年記念式典では、黒いベールをまとった数千人の女学生が国旗を懸命に振っていた。当局がテレビ映りを意識して意図的に配置したという側面はあっただろうが、その場面をイスラム革命を象徴するものとして、今も目に焼きついている。
一方、映画の中にちりばめられた、主人公の娘たちが、SNSを活用して発信したり、店でタイトな服を求めたりするシーンは、まさに現代イランの若者たちの姿を象徴している。映画は、そうした若者の姿を通じて、イラン社会の変容ぶりを描き出している。
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