![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44044519/rectangle_large_type_2_306ecfd9af2c76419310a86bce921c7d.jpg?width=1200)
歴史の紡がれ方をふと思う。
なぜ歴史の教科書が変わっていくのだろうかと不思議に思ったことがあります。
それはより確証のある記録や証拠が発見され、検証した結果と解釈なのだろうと思います。
鎌倉幕府の成立の話はそういうところ、よく読み解く必要があるのではないかなと感じました。
それでも確実にそうなのかは、過去の情報からの推測でしかないため、確実にわかることはないのかもしれません。
スタジオジブリの歴史はすでに30年以上もあり、日本のアニメの歴史の中で外すことのできないものになっています。
そのジブリの作品を内からの声と傍からの感想が書かれた本があります。
押井守監督の「誰も語らなかったジブリを語ろう」と鈴木敏夫さんの「天才の思考 高畑勲と宮崎駿」です。
押井監督の方は元々が褒めないという選択肢を持ったジブリの評価であり、鈴木さんのほうは今までの自分を振り返っての話です。
誰も語らなかったジブリを語ろう(2017)
テーマとしては「なぜジブリは批判されないのか。」というところから始まった対談方式の企画をジブリ作品それぞれに付いて言及したまとめになっています。
押井監督のほうは辛辣なコメントでもあり、正当な評価を下そうとしている感じがありました。
とはいえ、個人的には氏の映画もなかなかに難解なもので「おまいう」と心の中で突っ込むこともありました。
それはさておき、読んでいて、やっぱり思うのは造詣が深い。深すぎる。
あれだけ忙しそうにしている人たちが物凄くたくさんのものをインプットしている。それに驚いた。
本としてはぶっちゃけ、根も葉もない個人の感想ではありますが、それぞれの本を同時に読み解くと押井監督の考えが当たっていたり、見当違いだったり、鈴木さんの思考をより言語化できていたりと
なかなか読みごたえがありました。
押井監督と宮崎監督、高畑監督それぞれの違いは美学であり、自分の欲望であり欲求なのだと。
文句を言いながらも褒めているところはべた褒めですよね。高畑さんのところなんてめちゃくちゃ褒めているところとけなしているところの差がすごすぎ。
余談ですが、押井さんは実はゲーマーで、私の大好きなコジマ監督のデス・ストランディングも絶賛されています。
天才の思考 高畑勲と宮崎駿
天才の思考 はともにジブリ作品を作り続けた鈴木敏夫さんからみた宮崎・高畑両監督(とジブリスタッフ)との作品を作る最初から最後までを語っています。
基本的にはこのとき、監督はこうだったんだよ。と語りかけるようなメッセージでしたが、ところどころ自分の気持ちのほうが強く出ている印象もあり押井さんはそういうところもわかっているなと関心しました。
ことの成り立ちからそのテンションまで、この本だけで大映画になるんじゃないかというファンタジーにあふれていて、フィクションの雰囲気がありすぎる。
本当のことなんだろうけど、面白すぎる。(本当のことだからこそ、かな?)
鈴木さんのすごいところは、リアクションの速さと意見の鋭さ。
何よりも「決断」してきた力だと思います。
手綱を握ったの鈴木さんだから、影の暗躍みたいに言われますが、ジブリというブランドを作り、育てられたのは間違いなく鈴木さんの決定・決断によるところが大きいと思います。
もののけ姫のタイトル決定のところとか、よほどの胆力がないとやりませんしね。(あってもできないんじゃないかな)
もちろんその中でも失敗と感じていることもあるでしょう。
とはいえ、日本の映画の歴史に残る記録と記憶を残した立役者であることは事実ですが本誌にはそれを悔やむような表現もあり、なかなか人間とは難しい。
歴史の成り立ちを思う
私はどちらの作品も好きですしいずれの本も面白く、読みやすい。
で、おそらく歴史というのはこういう本や記録の積み重ねなんでしょうね。
100年後ぐらいに、日本のアニメーションの何かを研究したとき
例えば押井監督の本だけが残った場合、、、ジブリはなんでこんな映画なのに売れたのか。みたいな論争が起きているかもしれません。
かたや鈴木さんの本だけが見つけられた場合はどうでしょうか。
そしてそれぞれの本が残り続けたら、どのような語り継がれ方をするのだろうか。
歴史的検証からすれば、
「鈴木さんがああ言っていたけどあれは盛っているんだ」のような表現があったのをどう検証するのか。このあたりが歴史探求の面白い所なんでしょうね。
そういうことをふと考えて、今、自分は歴史の上に立っているんだという気持ちに何となくなりました。
大したことはできていないけど、そういう世界を生きているのだなという小並感な文章ですが
とはいえ、令和になってから世界の大きな変化はまさに教科書にのるような出来事ばかりだったように思います。
そんな世界で生きていくために歴史というのは存在するのかもしれません。
一つ一つの記事に対して書いていきたい気持ちはありますが、気になる人は読んでみてください。
アイキャッチは公式サイトより引用:https://www.ghibli.jp/works/porco/#frame
元記事:https://ukaku-purple.com/post-3260/