『café-sweets』編集部

菓子・パン職人、カフェオーナーのための専門誌、『café-sweets』編集部です。 …

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菓子・パン職人、カフェオーナーのための専門誌、『café-sweets』編集部です。 noteでは、より多くの人に面白さを知っていただけるよう、過去に連載していた記事などを投稿していきます!

最近の記事

2024年版 菓子店、カフェ 小さな店のつくり方

自分の店をもつことは、飲食業界で働く人にとって大きな夢の1つ。 ですが、昨今は人手不足、働き方改革、物価の高騰で、独立開業には厳しい環境……。 できるだけコンパクトなかたちで夢を実現しようと、10坪前後のワンオペ、ツーオペの店が増えています。 好評発売中の『café-sweets vol.225』では、小さくても魅力的な菓子店&カフェにフォーカスします。 少人数で店を回すには、席数・商品数はどれくらい?小規模店が注目されるには何をしたらいい?などなど、気になる情報満載で

    • 『ドーナツブック』刊行記念!限定ドーナツ販売イベントのお知らせ

      9月12日発売の新刊『ドーナツブック』。 その発売を記念して、取材店のひとつであるEN VEDETTE(アンヴデット)清澄白河本店さんにて、限定ドーナツを販売していただくことになりました! 何を隠そう、EN VEDETTEでは普段ドーナツは販売していません。 アイデア豊富な森大祐シェフにお願いして、この書籍のために特別にフレンチクルーラーのレシピをご考案いただきました。 今回はそのフレンチクルーラーを本店のみにて期間限定、数量限定で販売していただきます。ドーナツ好きのみな

      • 和菓子、この味《餅甚のあべ川餅》

        旧東海道の一部であった、東京・大森の美原通り。この地で300年余営む「餅甚」の名物が「あべ川餅」(18個入り・700円〜)だ。箱を開けると、直径3.5㎝ほどの、ひと口大のお餅が並んだ姿が、なんとも愛らしい。お餅はふわふわとやわらかく、しかし、口に運ぶと心地よいコシがあり、かむほどにやさしい甘味が広がる。材料はモチ米と水のみ。「モチ米の甘さなんですよ」と11代目店主の福本義孝さんは言う。同梱された自家製のまろやかな黒蜜と、香り高いきな粉をかければ、素朴でいて、このうえなく豊かな

        • 和菓子、この味《成城あんやのあんわらび》

          「成城あんや」の名物の1つである「あんわらび」(281円)は、漉しあんが練り込まれたわらび餅。独特のもっちりした食感が印象深い、ありそうで意外にない菓子だ。「和菓子店ではあまり見かけないかもしれませんが、黒蜜を練り込んだわらび餅もあるように、わらび餅自体に甘味をつける方法として、あんを練り込むことも昔からあるんじゃないかなぁと。本当にシンプルなお菓子ですが、ご評価いただけてありがたく思っています」と、同店を経営する(株)成城凮月堂の代表取締役社長・堀 芳郎さんの妻であり、同社

        2024年版 菓子店、カフェ 小さな店のつくり方

          パティスリーとカフェのデコレーションケーキ

          ケーキに求められるものは“甘さ”や“癒し”だけではありません。特別な日や非日常の空間を演出する“サプライズ”も、ケーキの大事な役割。味づくりだけではなく、デコレーションも、菓子職人にとって必要なスキルです。 クリームの絞り、ナッペの仕方、フルーツの盛付け、アメ細工やチョコレート細工などで、ケーキの印象はがらりと変わります。 好評発売中の『café-sweets vol.225』では、デコレーションの“今”を特集します。 特集では、パティスリーのデコレーションケーキと、カフェ

          パティスリーとカフェのデコレーションケーキ

          和菓子、この味《だるまや餅菓子店の宇治金時》

          都内で天然氷のかき氷をはじめた先駆けとして名高い「だるまや餅菓子店」。同店の「宇治金時」は素材の存在感が鮮明だ。ふわりとした口溶けの天然氷に合わせる抹茶は、シロップに仕立てたものではなく、注文ごとに水で点(た)てたもの。抹茶の風味がダイレクトに伝わり、そのすがすがしさをふっくらした粒あんがやさしく包む。後味はすっきりとし、清らかな余韻が残る。 同店の宇治金時はスタンダードなタイプ(1200円)のほか、順に抹茶のグレードが上がる「特選」「極上」「別格」もそろい(1600〜32

          和菓子、この味《だるまや餅菓子店の宇治金時》

          和菓子、この味《石鍋商店の久寿餅》

          かむごとに歯が押し返されるような、もっちりした弾力。独特の淡い香りや酸味、穀物の滋味。この絶妙な食感と風味で130年余愛され続けているのが、「石鍋商店」の「久寿(くず)餅(2〜3人分の小サイズ・黒蜜ときな粉付き・720円など)」だ。 「くず餅」といえば、関西では葛粉を用いた「葛餅」をさすが、関東で一般的な「くず餅(または久寿餅、以下、久寿餅と表記)」は、小麦デンプンを発酵させて蒸した菓子。江戸時代に誕生し、江戸の庶民に親しまれてきた歴史をもつが、関東以外ではあまり知られてな

          和菓子、この味《石鍋商店の久寿餅》

          和菓子、この味《ひと本 石田屋の栗饅頭》

          東京・上板橋の商店街の一角に、早朝からの行列で知られる和洋菓子店がある。地元で70年以上愛されている「ひと本 石田屋」だ。8時45分の開店前から行列をつくるお客のお目当ては、数量限定販売の「どら焼き」(190円)。当日朝に焼く生地に、自家製のたっぷりの粒あんと、栗の甘露煮をまるごと1粒挟んだどら焼きは、ほぼ午前中の早い時間に売り切れる。が、にぎわいは途切れない。同店には、お客がお目当てとする商品がほかにもいろいろあるのだ。とくに人気なのが「栗饅頭」(180円)。贈答用に大量に

          和菓子、この味《ひと本 石田屋の栗饅頭》

          和菓子、この味《天野屋の明神甘酒》

          体にすっとなじんでしみ渡り、元気が湧いてくる、やさしくて深い甘味。神田明神の鳥居脇にある「天野屋」の「明神甘酒」を飲み、甘酒の魅力に開眼するお客は数多い。売店の隣のノスタルジックな喫茶室で味わえば(440円、冷やし・495円)、都心や現代であることを忘れるような、癒しのひとときも楽しめる。 同店の甘酒は、米と自家製の糀(こうじ)(=米糀(こめこうじ))のみを用いて、江戸後期の創業当初からの伝統製法でつくられており、無添加・ノンアルコール。糀による甘酒は、近年の発酵食品ブーム

          和菓子、この味《天野屋の明神甘酒》

          注目シェフが語る「定番ケーキ、私の表現」/『café-sweets vol.224』好評発売中!

          コンクールで好成績を収めたパティシエや、有名店で修業を積んだパティシエが、次々に自店をオープンし、独創的なケーキを発表して話題を集めています。 ショーケースの中央に並ぶ彼らのスペシャリテはもちろん魅力的ですが、224号ではあえて“定番ケーキ”をクローズアップ。 ショーケースの脇を固めるショートケーキやシュークリーム、チーズケーキやモンブランといった定番商品を徹底取材。 気鋭のシェフたちは、定番ケーキをどのようにとらえ、どう表現しているのか。定番ならではのお約束にシェフの感

          注目シェフが語る「定番ケーキ、私の表現」/『café-sweets vol.224』好評発売中!

          和菓子、この味《桃六の沖の石》

          直径5㎝前後のまん丸の形が愛らしい「沖の石」(230円)は、東京・京橋で150年余営む「桃六」の名物の1つ。いわゆる”あんドーナツ”だ。和菓子店では珍しい商品だが、食べれば納得。コクのある生地は数㎜とごく薄く均一で、内側には旨味豊かで、かつ後味にキレがある粒あんがぎっしり。確かな包あん技術をもとに、”店の味”といえるあんを堪能させてくれる一品である。 あんドーナツは漉しあん入りのものを多く見かけるが、同店ではずっと粒あん。「粒あんは粒の部分がデコボコするので、それがとび出な

          和菓子、この味《桃六の沖の石》

          和菓子、この味《板倉屋の人形焼》

          粋な江戸情緒が残る、東京・人形町。観光客も多いこの街の代表的なおみやげといえば、人形焼だろう。「板倉屋」は人形町で百十余年営む、人形焼の老舗。人形焼は行楽地などで機械による量産品も多く見かけるが、同店は手焼きひと筋。1個(120円)を食べ歩きするお客から、周辺の会社員の贈答利用まで、老若男女が訪れ、ここの人形焼でなければと長年通うお客も多い。 同店の人形焼は七福神をモチーフとし、彫りがとても細かい。焼きたてをほおばると、外側はカリッ、内側はふわっとした生地の中に、みずみずし

          和菓子、この味《板倉屋の人形焼》

          和菓子、この味《御菓子司 三陽の麩まんじゅう》

          東京・武蔵小金井で50年余営む「御菓子司 三陽」は、まさに”町に根づいた、昔ながらの和菓子屋さん”だ。住宅の多い通りに建つ、昭和の風情を醸す小さな店舗。売り場には、明るくやさしい女将の姿。つくりたての菓子が並び、日々のおやつを求めて老若男女が訪れる。 とくに目をひくのが、大ぶりの笹の葉で美しく包まれた、看板商品の「麩まんじゅう」。粒あんと漉しあんがあり(各200円)、生地は前者がヨモギ、後者が青海苔入りだ。購入してまず気づくのは、笹の葉の上に水を含ませたキッチンペーパーがの

          和菓子、この味《御菓子司 三陽の麩まんじゅう》

          和菓子、この味《梅源の石ごろも》

          東京・浅草の中心部から少し離れた、かっぱ橋道具街裏手の静かな路地にたたずむ「梅源」。百十余年の歴史をもつ同店の品ぞろえは、少数精鋭。白ザラ糖による蜜とアズキを合わせて小さく固めた「小倉金花」や「豆板」、サツマイモを蜜漬けにしてつくる「芋甘納糖」や「あぶり芋」、「あずき甘納豆」に「きんつば」。どれもていねいな仕事が表れた見た目と味わいで、それぞれファンをもつ。そしてもう1品、店頭にはない名物が、漉しあんを小さく丸めて乾かし、白ザラ糖による”すり蜜”で糖衣がけした「石ごろも」(5

          和菓子、この味《梅源の石ごろも》

          「イデミ スギノ」杉野英実シェフが映像化プロジェクトで伝えたいこと

          「杉野さんのお菓子づくりを映像で残しませんか」。 柴田書店から映像化の話があった時、これまで自分が学んできた技術や考え方を知っていただくよい機会だと思うと同時に、どんなお菓子を紹介したらいいかと悩みました。 これまで僕の本では紹介していないものを、とも考えましたが、2017年に出版した『進化する菓子』は僕の集大成。載っているのはどれもスペシャリテですし、すでに多くのパティシエにも手にとってもらっています。 読んだ方から「本のようにつくってみたのですが」と聞かれた経験もあり、

          「イデミ スギノ」杉野英実シェフが映像化プロジェクトで伝えたいこと

          アメリカ菓子の魅力とは?/『café-sweets vol.223』好評発売中!

          アメリカンスイーツが人気です。 ベイクショップでも、コーヒーショップでも、主力となっているのはアメリカンテイストの焼き菓子。マフィンやカップケーキ、キャロットケーキにブラウニー……。 焼きっぱなしのカジュアルなアメリカンスイーツは、朝食にも、おやつにも、ブレイクタイムのコーヒーのおともにもぴったりな日常の菓子として浸透しています。 ベーカリーでも、クロワッサンロールやバブカ、コーンブレッドなどアメリカ発信のアイテムが続々登場。 『café-sweets vol.223

          アメリカ菓子の魅力とは?/『café-sweets vol.223』好評発売中!