気持ちが満たされる場所としてのカフェ
スフレタイプのチーズケーキを3種類作ってみた。
これまで、チーズケーキといえば、ニューヨークタイプち言われるドッシリとした食感のチーズケーキか、レアチーズケーキしか作ってこなかったのだけど、スフレタイプも作ってみよう、と思い、作ってみた。
業界ニュースによれば、2024年の『飲食店の廃業率』は、過去最高、過去最速ペースを更新しているという。
そしてニュースを開けば、値上げ値上げのニュース…..
人件費の最低賃金の値上げ、円安による輸入商品の値上げ、戦争の影響による光熱費の値上げ、地球温暖化の異常気象の影響による食材の値上げ….
そんな暗いニュースばかりを聞く傍ら、最近、とある雑誌を見ていたら、3種類のパフェが紹介されていた。
いずれも季節の食材を活かしたパフェで、2000円〜3000円の値段だった。
多分、うちも、パフェはこっちに舵を切るべきだと、ずっと思ってる。
カフェスケールのパフェは、残念ながら(?)、フルーツをカットしたものと、業務用のアイスを組み合わせたものなので、そこにはオリジナリティがない。
雑誌に載っていたパフェは、ジュレを手作りしたり、ジェラートを手作りしたり、ジェノワーズが入っていたり、クランブルが入っていたり、ムースが入っていたりして、かなり『手がかかっている』ものだった。
カフェスケールのパフェは『手のかかっていない』もので構成されているので、、、、パフェを褒めてもらえることもあるけど、少しだけ後ろめたさも感じている。
ケーキに関しては、すべていちからの手作りなので、ケーキを褒めてもらえるのはとても嬉しいのだけど、パフェに関しては….例えていうなら、冷凍食品を解凍してお出ししたものを褒めてもらってる気持ちになってしまう。
だからずっとパフェに関しても、手の込んだものにして、一つあたりの値段を2000円前後の価格にしようかと思案している。
そんなことをすれば中高生がお小遣いで食べられない….とも思うけど、今やカフェの最大の敵はカフェではなく、コンビニ。
中高生がお小遣いで買えるスイーツは、コンビニで十分に満たされる時代。
カフェはカフェなりの、カフェだからこそできるメニューを考えるべきだと思う。
そういう意味では、高価格帯のパフェ、というのはカフェ的には大正解だし、スケールもそっちに着手すべきだと思う。
(だと思うけど、なかなか商品開発に時間が取れない….)
価格に関する話ももう一つ。
カフェスケールは長らくコーヒーを1杯350円で頑張ってたけど、数年前かやっと400円に値上げした。
他の商品もところてん式に値上げをすることとなった。
それは今の現状を考えると仕方のないことだと思うし、それでもまだカフェスケールは安く収まっている方だと思う。
カフェスケールがコーヒー1杯の値段を値上げしたのは、原材料費や光熱費の高騰以外にも理由がある。
それは、 とある友人からの
「ハマノさん、みんな、カフェスケールのこと、見てますよ」
という一言だった。
カフェスケールは2002年に創業したので、今年で22年。
10年以内に9割のお店が廃業してしまう飲食店業界。
2024年は特にその廃業率も最高・最速を更新。
そんな業界の中で20年以上、しかも喫茶というジャンルで飲食店を続けている、というのはかなりの大健闘だと思う。(自己評価)
尾鷲という地方で、飲食店という業種で、喫茶というジャンルにおいて、22年というのは、(年数のことだけを言えば)中堅、もしくはベテランの域に属する。
そんな中、同じく喫茶というジャンルで仕事をしている仲間に、
「みんな、スケールさんのこと見てますよ」
と言われた。
「カフェスケールがコーヒー1杯350円だということは、みんな知ってます。」
と。
つまり、価格高騰が続く世の中で、中堅・ベテランの域の飲食店が値上げをしない、というのは、後続の飲食店に悪い影響を与えているようだった。
「カフェスケールがコーヒー1杯350円だから、それ以上の値段を付けづらくなっている」という状況を招いているらしかった。
それを大いに反省し、コーヒーを始め、少しずつ値上げをしていっている。
『仕方なく価格を底上げ』するその一方で、高クォリティ商品の提供をする『高価格帯メニュー』も少しずつ考えている。
例えば1日に3種類作るスイーツのうち、1種類は高価格帯に設定する、ということ。
カフェというのはある意味では『節約をしに来る場所』ではなく、『贅沢をしに来る場所』なので、そこそこ高い値段の商品をラインナップに加えておくことは、帰ってお客さんの満足度を満たすことになるので、あまり『低価格競争』に足を踏み入れない方がいい。
カフェという場所は『安さに満足する場所』ではなく、『贅沢な気持ちに満たされる場所』なのだから。
cafe Scale
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