この消滅可能性自治体の片隅で
3連続の投稿になりますが、キウイを使ったタルトの紹介を。
写真は『キウイとブルーベリーのリースタルト』。
グリーンのフルーツとリースはやはり、相性が良いですね。
『人口戦略会議』が先日発表した、人口から見た全国の地方自治体の「持続可能性」についての分析によると、全国の約4割の自治体は『消滅可能性自治体』に該当します。
カフェスケールのあるこの三重県尾鷲市も『消滅可能性自治体』に定義に当てはまります。
(ちなみに紀北町も熊野市も)
先日の地元新聞でもこの話題が取り上げられており、
「人口減少対策から若年人口を近隣自治体で奪い合う『ゼロサムゲーム』のような取り組みでは結果として出生率向上には結びつくわけではない」
という戦略会議のコメントを引用しておりました。
『人口動態』(人口の流れ)には、ざっくりと『自然増 / 自然減』、『社会増 / 社会減』に分けられます。
出産によって人口が増えることを『自然増』といい、逆にそもそも生まれてくる子供の数が減っていることを『自然減』といいますが、日本全体が少子高齢化しているので、日本全体が『自然減』の状態です。
仕事による転勤や、移住によって人口が流入することを『社会増』といい、逆に仕事や進学の都合や移住によって人口が流出することを『社会減』といいます。
地元新聞が引用した文は、『日本全体の人口が増えていかない状態で、各自治体が我が自治体の社会増のために、人口という名の『パイ』を取り合っている状態』という意味です。
つまり、各自治体が生き残りをかけての若年人口を奪い合いばかりでは、日本全体の人口減少の状況には何の変化もありませんよ、と、至極当たり前の理論です。
(これは『ふるさと納税』も実は同じだと思いますが)
喫緊の課題としては、人口が集中する大都会への流入を、何とか地方に分散させる、ということなのでしょうが....
人口減少、という一時的な個人の力ではどうしようもない課題は、長い年月をかけた『政策』によって解決してくべきものですが、おそらくこの30年という長い年月をかけて、あらゆる政策が功を奏さなかったのだと思います。
さて、先日、尾鷲中学から電話がありました。
「中学2年生を対象とした職場体験の受け入れをしてくれないか?」
という内容の電話でした。
電話がかかってきたのがお昼の忙しい時間だったので、また改めて夕方にかけて、詳細をください、ということで電話を切りました。
夕方に電話がかかってくるまでに、『その取り組みについてこちらから聞きたいこと』を考えてメモしておきました。
職場を『体験』して、何を伝えるのが目的なのか
『尾鷲の地場産業の魅力を伝える』のための職場体験なのか
『仕事との辛さを体験してもらう』ためなのか
『いずれ将来的に考えていかなければならない『仕事』ということについて考えるきっかけにする』ものなのか
ただ単に『業務』の一端を体験させればいいのか
色々と質問を考えて電話を待っていました。
夕方に再度中学校から電話があり、まずは受け入れて欲しい具体的な日時と期間を説明されました。
で、カレンダーをみると、ちょうど「ああ、うちの定休日と丸かぶりなので職場体験、という意味では無理ですね」と答えると「わかりました。ありがとうございました」と電話を切られ、あっさりと職場体験の話が終わってしまいました。
実は過去、高校生を対象とした受け入れ(高校生インターン)をしたことがあって、その時も定休日が丸かぶりでしたが、休み返上で無償で受け入れを実施していました。(それは休みを返上してでもやる価値があると思ったからです)
高校生を受け入れていた時は、受け入れの3日間のうち、3日の最初の2日が定休日で、最後の1日が営業日、という内訳だったのをいいことに、最初の2日間で、僕や僕の友達の『座学』を受けてもらい「仕事とは何なのか」を考えるきっかけとしました。
そして最後の日に、実際にお店で接客をしてもらって、3日間のインターンとしていました。
私が高校生を受け入れた時に、高校生に感じて欲しかったことは
「働くということに希望を持って欲しい」
ということでした。
働く、ということに対して希望が持てるようなインターンにしたい….と。
ところで、今の10代の耳にも嫌でも
これからの日本は人口が減っていく
GDPも落ちていく
拡大・成長していく国ではなく、縮小・衰退していく国である
くらいの情報は入っていると思います。
なんなら、先日地元紙でも扱われた『尾鷲は消滅可能性自治体である』という記事も目に入っているとは思います。
(もし新聞でそのようなニュースに触れていないのであれば、それは、親や学校の先生が責任を持って今の10代に伝えてあげるべき現実だと思います)
そんな10代がこれから、日本で生きていく上で、希望はあるのでしょうか。
私が今を生きる10代なら、日本に絶望してると思います。
でもその一方で今の10代は(私が10代だった頃よりも)、
『内需で何とかならないなら外需を稼ぐしかない』
という意識があるのではないかと思います。
悪く言うと、内需で回っていかない日本において、グローバルに生きていく、という選択を嫌でもしなくてはならない、という意識が働いているのではないか、と。
そう思います。
そういう意識がある10代を例えばインターンや職場体験として受け入れる場合、どんなことを伝えればいいだろう?と私は悩みます。
『より世界的に活躍して、外需を稼いでこれる人になろう』
と伝えるのか、それとも
『日本(や尾鷲)から流出していかないように、外に目を行かせないような教育(洗脳)』
をするべきなのか。
職場体験やインターンを実施しようとしている主体(中学校や高校や教育委員会や文部省)は、一体、職場体験やインターンの目的を『どこ』に置いているのか、それをまずは聞いてみたいところです。
うちに電話をしてきた中学校の先生は『上からやれという指示が来たからやっているだけ』なのか、それともちゃんと末端の先生にまで『地元での職場体験の目的とその先』についてしっかりしたビジョンと認識の共有があるのかが知りたいところです。
もし後者であるのであれば(そう願ってますが)、そのことをこちらにも伝えてくれると嬉しいのだけど、「ちょっとスケジュール的に無理」と伝えただけで「じゃあいいです」と断るくらいだから、もしかしたら「上からやれという指示が来たのでやってるだけ」の可能性もないとは言えなさそうです。
我々、社会人は、これからの10代に何を伝えてやるべきだと思いますか?
「尾鷲という自治体がなくならないように、尾鷲に残って欲しい」
と伝えるべきなのか。
それとも
「もうこの国はどう考えてもあと100年は人口は増えないのだから、この地域、この国から出て生きていくべきだ」
と伝えるべきなのか。
多くの人は、「尾鷲のという自治体がなくならないように尾鷲に残って欲しい、帰ってきて欲しい」と『他人の子供』にはそう思うと思いますが、実際の『自分の子供』には「消滅可能性自治体である尾鷲に残るよりも、持続可能性自治体に行く方がいい」と思っているはずです。
私には子供はいませんが、甥っ子にはそう思います。
『尾鷲に収まらない方がいいよ』
と。
だから悩むところです。
『消滅可能性自治体』での『職場体験』『インターン』で、一体10代にどんなことを伝えればいいのだろう?と。
そんなことを、最近悶々と考えていました。
ただ、言えることは一つなのかもしれません。
『どんな状況、どんな場所であれ、そこで個人個人がサバイブ(生き抜いていく)していく力をつけなさい』
と。
そして、付け加えるならば
『できれば自分にとって居心地の良い環境と人間関係の中で、自分の『仕事』がちゃんと他人から求められて成立しているものであれ』
と。
それがたまたま尾鷲だったら、それでもいいし、他の場所だったらそれでもいいと思う。
もしかしたら、中学校がカフェスケールに望んでいる職場体験とはただただ、飲食店の業務の一端を体験させればいい、というものだった可能性はありますが、だったら、私はあまり受け入れをする意味を見出せません。
私自身も時間を割いてまでやるメリットがないですし。
10代と『一緒になって考え、悩む』という意味での受け入れならしたいと思いますが、もしかしたら、中学校が提示している『職場体験』は「そういうことではない」かもしれません。
これは地方が取り組むべき問題なのか、国が取り組むべき問題なのか。
『地元や国に貢献するような人材を作る』ことなのか
『個人個人がサバイブしていける能力を養う』ことなのか。
だから私は、中学生に対しても思うことがありますが、まずはこの取り組みをしている学校側と話し合ってみたい、と思ったりします
(教育委員会とか)
それも、私個人と学校の話し合いではなく、尾鷲にある事業所全体と学校との話し合いを、、、、と思ってしまいます。
なんなら『逆提案』をしてみたいものです。
(でも学校側からしたらカフェスケールみたいな『難しいタイプ』の人間とは関わりたくないだろうな....)
cafe Scale
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