図書館の本で学ぶ日々
11月に開催する古本市開催の告知のために、市内と近隣の市町にチラシの掲示をお願いに回っている。
尾鷲市図書館、尾鷲高校図書室、紀北町海山図書室、紀北町紀伊長島図書室、熊野市文化交流センター(熊野市立図書館)、新宮市立図書館。
図書館でチラシの掲示をお願いするとともに、その図書館で本を借りる。
主に製菓関係の本。
意外に充実しているのは、尾鷲高校の図書室。
知らない人も多いが、尾鷲高校の図書室は、一般の人でも入室でき、本を借りことができる。
(但し、図書館の入室のためには、入館許可証をもらう必要があり、そのために事務室で手続きする必要がある。が、学校の敷地内に一般人が入るわけだからそれくらいは必要な手続きだとは思う)
尾鷲の市立図書館は、全世代を対象した蔵書を必要とするが、尾鷲高校の図書館は、主に10代向けに特化した蔵書で構成されている。
とはいえ(それゆえに、というべきか)、最新のビジネスの動向や科学やトレンドを知るには、かなり充実した情報を仕入れることができる。
製菓や調理に関しての書籍の蔵書も充実していて、ほとんどのジャンルの入門的な知識は図書館で見つけることができるほどだと思う。
(但し、身につくのは知識であって、実際の技術の習得には実践・実習・経験が必要とされる。当たり前の話)
写真は『イチジクとゴルゴンゾーラのチーズケーキ』。
こちらのケーキは海山図書室で借りてきたレシピ本に載っていたものをヒントに作ってみた。
料理やお菓子は、材料と材料の組み合わせ、道具と技術の掛け算なので、ある程度製菓の基礎知識が素地として整ってきたら、レシピ本の細かい作り方を見なくても、使われている食材の組み合わせのヒントだけで作れるようになるので、レシピ本は『完璧に再現するためのもの』というよりは『アイデアのヒント集』のように見るのがいいと思う。
そういう意味でも図書館でレシピ本を借りれるだけ借りる、というのは、多くのアイデアのヒントに触れることになるので、レパートリーを増やしたい場合は、図書館で借りれるだけレシピ本を借りてくるのがいいと思う。
(無料なわけだし)
よく受ける質問で、
「お菓子づくりのために必要なこと(技術)はなんですか?」
というのがある。
多分質問した人は
「美的センス」
とか
「繊細な作業をこなす才能」
とかいうカッコイイ答えを期待しての質問なのかもしれないけれど、この質問に対して私は
「中学レベルの読解力と数学と記憶力と好奇心」
と答える。
レシピ本を開いて、そこに書いてあること(文章)が理解できる読解力と、製菓のルセット(レシピ)には必ず書かれている数字(重量や温度や時間に関する数字)が理解できることと、それを使った簡単な計算ができること。
それと、味と食感を記憶する記憶力。
まずはこれ(書いていることが理解できることと、一度経験したことを記憶すること)ができないと話にならないし、それさえできればあとはその繰り返しに過ぎないのだから。
もちろん誰かに手取り足取り、付きっきりで指導してもらわないとわからないことも多いけれど、多くの場合は、読み書きと記憶と反復作業によって再現できていくものだと思う。
製菓に限らず、読解力と計算力と記憶力さえあれば、図書館にある本だけで、かなりの知識を仕入れて、身につけることができる。
多くの人はあまり理解していないと思うけど、図書館というのは『本の貸し出し業務をする場所』ではなく、広く『知識の集積と解放をしている場所』だ。
フレデリック・ワイズマン監督の『ニューヨーク公共図書館 エクスリブリス』というドキュメンタリー映画がある。
冗長な内容で、特にドラマチックな展開もストーリーもなく、解説もない。
ただ、最後まで観終わったあとは、『図書館における最大の役割とは何か』を理解することができるようになっている。
学校で習うべことは『読み書きの能力』『簡単な算数』だと思う。
文字の読み書きと簡単な計算さえできれば、独学の基礎ができあがる。
そこに、『誰に言われるでもなく自らの意思で学ぼうとする好奇心』が加われば、あとは実は学校に通わなくても図書館で学ぶことができる。
ただ、学生時代は、『単位』とか『点数』とか『成績』とか『締め切り』とか『審査』とか『試験』とかがない限り、自主的に学ぼうとしたりせず、『学校に通って』『教室で時間から時間まで』『先生とともに教科書を開いて』『授業を受けること』がイコール『勉強すること』と思っている。
社会人になってから、いかに自主的に勉強するのが大変で、しかし、そこからが本番であるかがわかる。
大学を卒業する時、卒業論文を見てもらって大変お世話になった教授から、
「学ぼうと思えば、今あなたがいるその場所が教室であり、今あなたが読んでいる本がテキストであり、今あなたの目の前にいる人が先生です。いつまでも向学心を失くさないでください」
という言葉をいただいた。
今でもその言葉は胸に刺さっている。
向学心と好奇心。
それをいつまでも失くさないようにしたい。
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