無観客で運営されているラ・リーガ1部の試合を現地スタッフとしてスタジアムで観る ーカディスCF
こんにちは、カディス・ジャパンのAnaです。
『THE INSIDE LOOK』ではラ・リーガ1部所属カディスCFのスタッフが見る現地クラブのリアルな日常を発信しています。
しばらく間があいてしまいました。カディスで毎年2月に行われる一大イベントのカーニバルも今年はコロナの影響で行われず、移動制限や夜間外出制限がかかる静かな日常が続いています。現状バルは18時に閉店、隣町への移動も不可なのですが、徐々に緩和されそうな雰囲気!
さて、先日のリーガ第24節ではFCバルセロナに試合終了間際で引き分けることができて、スタッフも明るい雰囲気に包まれました。
(浮かれるというよりは、残留という絶対的な目標に向けて前向きに気が引き締まるといった感じ。ここスーパー大事。)
セリエAやプレミアリーグでは春頃に観客を入れることができるんじゃないか?というニュースも出ていますが、リーガもそれに続けることを願っています。何てったって地元のファンの人たちが一番スタジアムでプリメーラの試合を見たいと思っているはずですからね!
今シーズンはずっと無観客での試合が続いていますが、スタジアムには100人以上の関係者が来場しています。そこで今日はラ・リーガ試合日の現場がどんな感じなのかについてその断片をお届けしたいと思います。
①試合前にはPCR検査
まず、試合当日クラブスタッフにはPCR検査が義務付けられています。唾液じゃなくてちゃんと鼻に突っ込む方です。渡欧前に日本で受けたPCRは結果が出るまで1日〜2日待たなくちゃいけなかったのですが、リーガ管轄のものは15分程度で結果が出る!
(このお陰でコロナ禍において二週間に一度はPCR検査を受けることができています。安心、感謝)
試合がある日は朝からパラパラとスタッフやメディアの人たちがスタジアムにきてPCR検査を受けます。ここで陰性反応が確認された人にのみADが渡される流れなので、かなり厳格に対策が行われています。
(実際、無症状の人がここで陽性反応が出て即家に帰されるということもありました)
<PCR検査会場。これをなぜかコンコースでやるもんだから極寒>
<一定のスペースを保つように「2m離れてください」って標識もスタジアム内のあちこちに貼ってあります>
ちなみに突然今年に入ってからリーガの規定が厳しくなってマスク指定がされるようになり、"FFP2"というサージカルマスク?的なやつを着用しないとスタジアムに入れてもらえないレギュレーションになりました。これ誰も教えてくれなくて試合前薬局に買いに走りました。誰か教えてくれ。
<そこらへんの薬局で€2ぐらいで買えます>
②試合中はスタッフも距離を保って観戦
基本的にバックスタンドは閉まっていて、控え選手やコーチ陣など競技に近いスタッフはメインスタンド側、他のスタッフはゴール裏などに散らばって試合を観戦します。媒体専属のフォトグラファーの方たちはゴール裏から写真を撮影しているのですが、当方はこの人たちの見張り役としてゴール裏の上の方に座っています。理由はこの仕事なら言葉話せなくてもできるから(笑)。
SNSを担当しているメンバーは、試合中は携帯片手に中継ツイートを行います。Twitterでいうと、カディスCFは現在本国スペイン語のアカウントを入れると10カ国で展開をしているので、クラブ全体の投稿数は世界規模で見るとかなりあると思います。
試合後に出す記事やデジタルマガジンを制作しているスタッフは、素材を即出しできるように試合を見ながら作業もしています。スペインでは毎日マスメディアでサッカーが取り上げられるので、クラブが出すニュース性のある即時コンテンツはとても重要です。
<試合前のカランサ スタジアム>
試合中は録音されたサポーターの声援がスピーカーから流れますが、ファンがいないスタジアムに魅力がないのはスペインも同じ。ただ控え選手の掛け声とかはハッキリ聞こえるので、別の臨場感はあるかもしれません(多分すごい汚い言葉を吐いている)。この状況下でスタジアムに行かせてもらえるという環境は逆に稀有なことなので、感受性センサーをしっかりオンにして現場に入りたいと心がけています。
③試合後には監督・選手インタビュー
試合終了後にはレビュー記事と合わせて、監督と選手のインタビュー記事をスタッフが編集し、Webページに順次あげていきます。現在カディスCFのWebページは英語、日本語、アラビア語で運用しているので各担当がそれを即時翻訳していきます。ちなみに日によってはトップチームとカディスCF Bチームの試合が同日に行われるので、この工程が2倍になることも。21時キックオフの試合では全ての作業が終わるのは深夜1時、2時を回ります。スタッフとして関わる試合は断然昼キックオフがありがたい…。なんでスペインはこんなに夜型なんだ…。
ちなみに、クラブがスタッフのボカディージョ(サンドゥイッチ)とコカコーラを毎試合用意してくれるので、これをむしゃむしゃしながら作業します。発注数が適当なのでうっかり2個食べちゃう人とかもいて、"俺食ってないんだけど"みたいなおっちゃんが出現することもあります。
④スタジアム外
"試合日にはスタジアムの外にサポーターが集まったりするんだろうなぁ〜"と勝手に想像を膨らませていたのですが、カディスでは意外と街の人たちも健気にコロナ対策を守っており(最近ではマスク二重にして出かけるおっちゃんたちもよく見かけるほど)、出待ちしている人はいても10人程度。選手バスの出入り口にはこのように警備員さんが配置されています。
<選手バス専用出入り口>
<試合後の選手バス>
<ポツンとグッズを販売している出店も一軒>
熱狂的なファンで知られるカディスCF。選手も会見等で口を揃えて言っていますが、早くファンでいっぱいのラモン・デ・カランサがみたい。
目標は残留ー。クラブとして様々な側面からプリメーラにいるメリットは大きいですが、何よりもファンのために残留したいと関係者は強く思っています。
Anaの小言
カディスでは冬になると例年"レバンテ"という強い風が吹き荒れるようで、お天気もコロコロと変わります。それに乗って砂なのか花粉なのかも飛んでくるもんだから、目が、かゆい!聞くとオリーブにも花粉があるそうで(カディスの街中にはオリーブの木なんぞないのですが)スペイン本島から飛んでくるのでしょうか。オフィス内でもクシュンクシュンしている人が結構います。現地の人たちもアレルギーに苦しんでる人が多いことに驚きました。カディスらしい、晴天の日々がくることを心待ちにしている毎日です。
それでは、また!
#サッカー #スポーツ #スペイン #スポーツビジネス #欧州サッカー #ラリーガ #海外 #サッカーの忘れられないシーン