⑬心のバランスって大事(その2)
「国際結婚・国際離婚 これから私は”I do what I want!”」の⑪章目
①はじめに はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/nd5a330e83404
②なんでアメリカ? はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/nd5a330e83404#2uF14
③出会いのルール はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/n845408684233
④嫁姑問題問題は万国共通 はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/neabf4f5b01b1
⑤.「みんなと一緒はちょっとイヤ…」はこちら
https://note.com/caco28may/n/n6a8916bd8d2b
⑥涙ぐましい日本人妻たちの努力 はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/ndcd556e50366
⑦ 「マウンティングマウンテンは孤高のファイター」はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/n3ff2f1b31bf7
⑧「コピーは身を助ける」はこちら↓↓↓
⑨”ちゃんとしてる”って素晴らしい
⑩「Don't Be Shy!」はこちら↓↓↓
⑪「仲が良すぎるのもいかがなものか?」はこちら↓↓↓
⑫「信じるも信じないも」はこちら↓↓↓
⑬心のバランスって大事(その1)
はい、前回からの続きです。
アメリカである日突然元夫から「離婚する」と言われた直後に裁判所からの申立書を受取り、2週間以内に自分も弁護士を立て何か策を講じないと相手の言い分100%で離婚が成立してしまう。。。
何をどうしたら良いのかさっぱり分からずパニックになっている私に義父夫婦が「まずは基地の中のfamily advocacy officeに行って相談してみろ」と連れて行ってくれた。
(義父夫婦にとっても私たちの離婚は寝耳に水だったらしく、あくまで中立の立場を保ちつつ最初だけは力になってくれていたのだ。)
“Family Advocacy” 直訳すると「家族の擁護」。
ミリタリーの基地には大抵このFamily advocacy officeが設けられているのだけれど、DVやハラスメントを受けている配偶者や子供を擁護するための相談窓口みないな感じ。
弁護士を見つける手伝いをしてくれたり、身に危険がある場合はシェルターへの避難の相談にも乗ってくれてリーガルオフィスとも連携していると聞いている。
私の場合は離婚騒動もだけど、この機会によくよく結婚生活を掘り起こしてみたら元夫から経済DV・モラハラなどを受けていた事に気付いたのでここでカウンセラーに話を聞いてもらったのだけど「とにかく早く弁護士を見つけて戦いなさい」と言う結論に至った。
それは知っとるがな。その方法を聞きたいんじゃと息も絶え絶えの弱弱しいチンピラが私の中で言っていたけど口に出す気力がない。
途中からカウンセリングと言うよりものすごく励まされるだけで
「あれ?弁護士を紹介斡旋してくれるんじゃないの?してくれないの?」みたいな。
結局は特に目新しい情報を得ることは出来なかったが、励まし方が「The America」で今思い出すとちょっと笑えるので紹介しよう。
私は、まず自分の状況をなるべく客観的に冷静を心掛け「どう言う経緯でここに来て」と言う説明と何をどうしたら良いかのアドバイスを求めたのだけど、話を聞いてくれていたカウンセラーは元夫の悪行の数々に私以上に怒ってくれてた。
感情を押し殺して説明する私に最初はうんうんと話を聞いてくれていたカウンセラーはだんだん難しい顔つきになって口を開いた。
カウンセラー:
「お気の毒に…辛いですよね。でもね、あなた、そんなに冷静でいる場合じゃないわ。もっと泣いて怒っていいのよ、ううん、怒るべきよ!遠い国からあなたをアメリカに連れてきたくせに、どうしてそんなに酷いことが出来るのかしら?本当に酷い。でもあなたはどうしたい?離婚したい?したくない?私は離婚したほうがあなたの幸せのためだと思うけど。離婚したい?I knew it!当然よね、戦いましょう!!」
あれ?傾聴どこ行った?とぼんやりする私にまだまだ励ましは続いた。
カウンセラー:
「まずは弁護士を雇うこと。何人かPro bono(弁護を無償で請け負うなどのボランティア)を扱っているファームがあるから自分で問い合わせてみて。離婚はとっても辛いことだしエネルギーを使うわ。だからもっとタフにならなくちゃダメ。ガールズパワーを見せるのよ!あなたなら出来る!負けちゃダメよ!?」
私:
(え、弁護士、自分で探すんかいな。…なんだか彼女ヒートアップしてきたぞ?)
「ガールズパワー?私もう四十路も半ばですけど…今生きた心地がしないしもう数日眠れてなくて頭が全然働かないけど、えっと…とにかく真っ向勝負で頑張れってことですよね?」
カウンセラー:
「そう。頑張るの。いい?負けちゃダメ。あなたなら出来る。言ってみて『I can do it!』」
私:「…えっと…『I can do it』」
カウンセラー:「声が小さいわ、さぁsay it again!」
私:「I can do it!」
カウンセラー:「Come on, girl!! もう一度!!」
私:(こうなりゃもうヤケクソだ!)「I can do it!」
カウンセラー:「もう一度!あなたは強いの。Strong bitchになるのよ!」
私:「え?strong bitch?(そんな…何それ?ドラマクィーンみたいじゃん。。。)」
カウンセラー:「そうよ、strong bitch!Say it!!!」
私:「(もういいや、なんでも言ってみよう)I can do it!I‘m a strong bitch!」
カウンセラー:
「そうよ、strong bitchよ!!フゥゥゥゥゥ~!!!いい?
くじけそうになったら自分をcheer upするつもりで何度も言うのよ?大丈夫、あなたは強いのよ!!!」
こうしたやり取りを終えて家路につき、離婚成立までの間泣きたくなったり、辛くなったり、投げ出したくなったり、死にたくなったり・・・
とにかく感情が千々に乱れて訳が分からなくなり何も手につかなくなったときは念仏のように「I can do it! I‘m a strong bitch!…」と何度も唱えて何とか乗り切った。
カウンセリングとしてはなかなか荒療治だったような気もするが、
(もちろん助けてくれた友人・友人夫婦・元ご近所さん夫婦や元同僚たちのおかげが大幅に占めるが)この呪文?も大いに助けになったと思う。
やはりアメリカで生きていくにはタフでないと無理だ。
アメリカで出会った日本人妻たちがたくましいのは「たくましくならざるを得ない」事がじゃんじゃん身に降りかかるからだと思い知った。
今更タラレバ言っても仕方がないことだが、もしも離婚の後も緊張を解かずアメリカに留まったなら、私も『Strong Bitchなたくましい自立した女』になれたのかな…とたまに今でも思ったりする。
いや、やっぱりプツリとどこかで緊張の糸が切れてもっと酷い鬱になったのかもしれない。
今となればどちらが正しかったのかは分からないが、五体満足に生きていられる今に感謝するべきなのは間違いない。
最近はマインドフルネスや瞑想や自分を受け入れるためのツールが日本にも色々と出てきているが、時と場合によってとにかく自分を抱きしめて許し認めて寄り添う日本式の励ましと、アメリカ式の励まし方・鼓舞の仕方を取り入れてバランスをとることは本当に大切だと思う。
空気を読んで人の顔色や気持ちをうかがって自分を追い詰めがちな人には「Strong bitch!」でたまには『我が、我が!』となることも必要。
そのときの自分の状況で使い分けたいものだ。
これは私自身もいつも自分に言い聞かせて過ごしている。
最後にもう一つ。
よくものすごく厳しい状況にあるときに『死ぬ気でやれ』と言う人がいるが、それは私はやめたほうがいいと思う。
その辛い状況から更にもっと追い込まれるような何かがあると「こんなに頑張っているのに」…と絶望して力が入らず本当に死にたくなっちゃうから。『殺す気でやれ』が正解だと私は思っている。ね?そのほうが力が入る気がしない?
まぁ、そんな物騒なシチュエーションにならないのが1番ですけどね。
教訓:
キッカケの大小問わず、人は簡単に壊れたりはたまた強くなったりできるもの。自分の励まし方と労わり方を把握しておくことが最重要事項。
たまに『I‘m a strong bitch!フゥゥゥ~』と雄叫びを上げるのもまた一考。