目ん玉飛び出たフランスの性の授業
時々フランス人の友達の家に遊びに行く。
彼女には高校生の妹がいて、今日はたまたま学校から帰ってきたところだった。
そしたら、第一声
「今日、性の勉強会だった」
ってママに報告しながらプリント提出。
嘘だろ。オープン。。
私の友達は、どうだった?みたいな。
で、みんなでプリント見ながら話してたけれど、自分が日本で聞いた話と全然違うぞと。
多分その場で1人だけ、勉強してた。
日本の性教育といえば、植物の受粉みたいな感じで説明されて、妊娠が危険だから気をつけろ。以上!!
そのくせ何がどう危ないのか、それをどう回避するのかをきちんと教えない。
私が大学時代自分で調べたときに、ピルが生理痛にも効くことを知って、病院に行ったくらいだから。
フランスはどんな感じなの?って聞いたら、まず具体的な体やセックスの仕組みでしょ、そのあと避妊法でしょ(ここでコンドーム、ピル、避妊パッチ、IUDのプリントを見せてくれた。フランス語だけどなんか医学的な情報がたくさんな感じ。)、LGBTQの話し、カップルの関係、マスターベーションについて(ここで少し恥ずかしがる、今更なんでやねん)ってノートを見せてくれた。
LGBTQのプリントは、フランス語はよく分からなかったけど、とにかく性と性指向の種類がいっぱいあった。
LGBTQのあとにも続きがあるらしい。
次は自分やパートナーを愛そうみたいなプリント。amourって書いてある。
もうここまででも情報の量が違う。
目ん玉飛び出た。
私がプリントの上に目ん玉落としたままにしてると、ママが日本は?って。
んー何もしないというか……。
まず、LGBTQとかの「性」の分野はなく、性行為に関することだけで、まず「愛情」を絡めて勉強することは絶対にない。
高校はちょっとフランスぽかったけど、家では親とそんな話したことない。
今度は3人の目ん玉が6個飛び出てた。
ママが口を開く
「フランスでは、きちんと学ぶことは、自分を愛してパートナーや周りの人を尊敬することなのよ。全部を知った上で、あなたが決めるの。セックスをするかしないかも、男性を好きになるか女性を好きになるかも、どんな避妊方法を選ぶかも。」(長かったからちょっと意訳)
そして妹ちゃんに一言。
「あなたのマタン(たぶん彼氏の名前)としっかり話し合って、愛を持って過ごしなさいね。何かあったらいつでもあなたからの話を待ってる。」
ハグする親子。
これがフランスか、と。
自分の意見をはっきり言う、知ることや自分で選ぶことを権利だと思う姿勢。
革命の国の血なんだろうか。
もう落ちる目ん玉もなかった。
この国に来て、文化の違いを感じることはあった。でも、どっちがいいとか悪いとかではなく、ただ違うのだと感じていた。
でも、この分野だけは違う。
どう考えても日本が劣ってる。
そもそも何もかもが違う、保健体育ってよりは道徳。
人と人と関わりを深めるための、心身のコミュニケーション力を高めるもの。
これを学校で学べるなんて、フランス人はなんて恵まれてるんだろう。
そしてそれを学んだフランス人と、学ばない日本人が同じ目線で世界を見て、同じ土俵で語れるだろうか。
残念ながら無理だろう。
ただ幸運なことに、今私はこの国にいるのだから、まずは自分が知って、肌で感じて、理解しようと心に決めた。
この国に送ってくれた両親に感謝したい。
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