「ボヘミアンラプソディ」レビュー

Queen にそれほど思い入れはなく、好きな曲はあるけれど、アルバム全て持っているわけではなく、マニアックなファンではないわたくしではありますが、いろんなアーティストに影響を与え、尊敬されている世界的な伝説的なバンドで、70 - 80sの音楽が好きなわたしは期待に胸を膨らませ観に行った。

事実と違う、時系列が違う、などと指摘する声もあるが、映画は歴史の教科書ではないし、単純な伝記でもない。歌詞の意味をいちいち説明せず、聴き手に判断を委ねるのと一緒で、なぜこのような脚色を施したか、なぜ時系列を無視したか は観た人それぞれが判断すればいいと思う。

LIVE AIDをリアルタイムで観ていないし、映像でも観たことがなかったが、あのステージを再現したラスト21分は圧巻だった。

この映画、ビッグバンドの単純なサクセスストーリーかもしれない。ラスト21分も単なるライブの再現VTRかもしれない。しかし、それがなぜこれだけ感動するのか。それはラミ マレックが芸術肌のフレディの内に秘めた葛藤、苦悩までも完璧に演じ、最後のステージでその内面を押し殺そうとしながらも匂わせてしまうあの表情、そしてそれを振り切るかのようなあのパフォーマンスに多くの人が、観衆が、スタッフが、家族が、バーにいる人たちが、そして他のメンバー3人が、笑顔になり、一体となり、酔いしれている姿を完全に再現しているから、としか思えない。

ライブでの感動は、群衆の大合唱にあると思っている。それをこの映画は、完璧に再現してくれた、とこの映画を2回観て思った。


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