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#61 (社会保険)家族を被扶養者に追加したいときの条件②

では早速今日も「家族を社会保険の扶養に追加したいとき」と題して書いて行きたいと思います。

その前に、被扶養者として追加する場合に「どんな情報が必要になるのか」を知っておくと、理解が早いと思うので、届出するときに入力する画像を添付しておきます。

届書作成プログラム(被扶養者異動届)

前回「#23労務」では「被扶養者の国内居住要件」について書きましたが、事業主が確認した被扶養者の住民票の住所を、画面中央の「被扶養者住所」に入力することで、「被扶養者の国内居住要件」が満たされることになります。

では早速、今日は2つ目の基準(要件)である「収入要件」についてですが、正直言って、ここがいつも一番問題になるところですので、しっかり理解しておきたいところです。

✅収入要件

最も簡単に図で示すと、収入要件は次のとおりです。
130万とか180万という金額は知ってる人も多いと思いますが、同居の場合の「被保険者の収入の半分未満」と、別居の場合の「被保険者からの仕送り額未満」と言うルールを知らない人が結構多いのではないでしょうか。

そして、この図には書かれていない、細かいルールがここにはたくさんあるので、次にそれを見て行きます。

✅気を付けるのは年収だけじゃない

ここで言う「年収」とは、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。「過去の収入」でも「1月~12月の収入」でもありません。

例えばある年の8月1日から被扶養者に追加したい場合には、その8月1日から翌年の7月31日までの年収が、被扶養者の年齢等に応じて、上の図に記載した金額未満でなければなりません。

そして、ここに書かれていない、しかしとても重要な要件、それは「月収」もクリアしないといけないということです。

つまり、
年収130万円未満の場合には月収108,334円未満でなければなりませんし、年収180万円未満の場合には月収150,000円未満でなければなりません。

これを理解していないと、「毎月5万円給与収入があった妻(60歳未満とする)が、8月から毎月12万円稼ぐようになったが、1月〜12月で130万円未満(5万×7か月+12万×5か月=95万)だから扶養は削除しないで良い」と勘違いしてしまうことが発生します。

この場合、この妻は8月から1年間の収入が144万円と評価されますので、被扶養者資格を外れなければなりません。

妻は自分の勤務先で社会保険に加入するか、国民健康保険に自ら加入することになります。これを黙ってて後から発覚した場合、8月に遡って扶養認定を外されます。

✅収入は給与収入だけじゃない

被扶養者の収入は給与収入だけではないので、これも注意が必要です。
例えば、今まで被保険者だった家族が離職して雇用保険から失業給付を受給する場合はどうでしょうか。

失業給付は7日間の待期期間の後、離職理由によって給付制限期間がありますが、失業給付を受給できない「待期期間」と「給付制限期間」については社会保険の扶養認定を受けることができます。

また、「受給期間」についても、基本手当の日額が3,612円未満(60歳以上または一定の障がいがある者については5,000円未満)である場合にも、年収が130万円未満(60歳以上または一定の障がいがある者については年収180万円)と見做されて扶養認定を受けることができます。

この他、公的年金も収入に含まれます。
逆に言うと、公的年金も含まれるので60歳以上の収入要件の上限は180万円なんだろうと想像します。

従って、60歳以上の家族を被扶養者に追加しようとするときは、次の確認書類を提出してもらって年収180万円を超えないか、月収15万円を超えていないか確認します。

  • 課税・非課税証明書・・・直近1年間の収入を確認

  • 年金決定通知書・支給額変更通知書・・・毎年6月頃に届く

  • 直近3ヶ月の給与明細書等・・・働いている場合

✅「収入」には他に何があるか

収入とは継続的に生じる収入の全てのものを言いますが、給与収入、失業手当、公的年金の他にも様々あります。

  • 事業収入

  • 副業収入

  • 投資による収入(配当など)

  • 課税対象ではない遺族年金、障害年金、恩給等

  • 生命保険契約等に基づく個人年金

  • 貯蓄型の個人年金や退職年金(総支払額)

  • 利子収入(預貯金収入、有価証券等による利子収入 等)

  • 不動産賃貸収入(土地、建物 等)

  • 健康保険法による傷病手当金

  • 労災保険法による休業(補償)給付

  • その他、実質的に収入と認められるもの

✅自営業の家族を扶養追加する場合は更に注意

自営業の家族の場合、その年収は年間総収入から直接的経費を差し引いた額となり、直接的経費とは、その経費がなければ事業が成り立たない経費(例:製造業における原材料費、小売業における仕入れ費)であり、それ以外の費用(例:公租公課、宣伝費)は差し引くことはできません。

認定可否を受けるには、以下の書面を提出する必要があります。

  • 確定申告書のコピー

  • 直接的経費がわかる書類と領収書

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