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#20 社会保険適用拡大に向けてやること①

さて、もう8月も終わりなので、10月1日から社会保険適用拡大の対象となる企業は既に対応を進めているところだと思いますが、今回はちょうど2年前の令和4年10月1日から適用拡大となったうちの会社がやってきたことを書いていきたいと思います。

対象企業の皆さんには確認の意味を含めて、参考にしてもらえると嬉しいです。

✅令和4年4月~10月にやったこと

  1. 事務担当者が理解する

  2. 当社が10月1日より特定適用事業所となることを全従業員に周知する

  3. 適用拡大対象者を洗い出す

  4. 適用拡大対象者に現況確認届を送付し、記入した後、返送してもらう

  5. 適用拡大対象者の保険料を調査する

  6. 想定される保険料や等級を適用拡大対象者に通知する

  7. 適用拡大の対象となる被保険者および被扶養者から資格取得に必要な書類を提出してもらう

  8. 回収した書類をチェックする(不備は再提出を依頼)

  9. 9月30日までにできるだけ取得届、被扶養者異動届を下書きしておく

  10. 10月1日以降、申請する(当社は電子申請)

  11. 取得確認通知書、被扶養者異動決定通知書が届いたら確認する(通知書はデータまたは書面で保管)

  12. 健康保険証が届いたら記載事項を確認し、誤りがなければ通知書と一緒に発送する

多少前後はあるかも知れませんが、だいたい以上のような流れで対応することになるのではないでしょうか。

ここには書いていませんが、会社負担分保険料の予算化も必要です。

✅事務担当者が理解する

まず、これが何と言っても重要で、理解しておくべきことは多義に渡ります。
例えば、
・資格取得の要件と必要な書類
・扶養追加の要件と必要な書類
・副業している場合の取得方法と必要な書類

「実務的な理解」は勿論ですが、重要なのは、短期間で多人数の対応をしなければならないので、「いつ、何をするか」を理解しておくことがとても重要です。

出先機関で個別に担当者がいる場合は、そことの連携も大切です。書類の回収・確認、発送の手配、提出が遅い人への督促、誤記入の対応など、協力体制があるかないかで進捗は大きく異なるでしょう。

既に過ぎていますが、事務担当者が理解するのは遅くても4月5月にはやっておくべき内容です。厚労省の特設サイトを参考にすると、理解が深まります。

✅全従業員に周知する

既に被保険者資格を取得している従業員(週30時間以上の者)を含めて全員に周知する理由は、10月1日以降は週20時間以上30時間未満に所定労働時間が減少しても今後は被保険者のまま(厚生年金は70歳以上は被用者)であることを知ってもらうためです。

ただし、全従業員への周知はこの1回のみで、2回目からは適用拡大対象者のみでも問題はないと思います。

✅適用拡大対象者を洗い出す

適用拡大は、10月1日付の労働契約の内容によって被保険者資格を取得するかしないかが決まりますが、8月9月になって初めて対応するのでは従業員が混乱しますので、遅くとも6月頃には対象者がどれくらいいるのか、適用拡大対象者の洗い出しを行うと、その後の対応がスムーズに行きます。

✅現況確認届の送付と返送

現状を確認するための書面は、当社用に独自に作成しました。
次の4つの質問を書き、上で洗い出した適用拡大対象者に発送します。

  1. 副業(雇われて働くもの)をしているか否か、している場合は社会保険に加入しているか

  2. 今後、副業(雇われて働くもの)する予定があるかないか、ある場合は週何時間程度働くことを希望しているか

  3. 被扶養者となる75歳未満の家族がいるかいないか(いる場合は生年月日を記載)

  4. (70歳以上の従業員のみ)今まで厚生年金保険に加入したことがあるかないか

上記質問の意図は、次のとおりです。

  1. 副業を行っている場合に「二以上勤務届」が必要かどうかを事前に把握すること

  2. 今後、「二以上勤務届」が必要になる従業員がいるかどうかを事前に把握すること

  3. 「被扶養者異動届」等が必要かどうかを事前に把握すること

  4. 「70歳以上被用者届」を届出する必要があるかどうかを事前に把握すること

上記現況確認届が従業員から返送され次第、内容を確認します。

中には誤った理解をしている従業員もいるので、そういった従業員には個別に再確認を行います。

なお、こう言った書類を従業員から回収する場合は、何かあったときの確認用として、日中繋がる連絡先を書いてもらう欄を設けておくと良いです。

少し長くなったので、今日はこの辺でストップし、次回は部分から、再開します。

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