#75 労務不能の捉え方
健康保険の給付の1つである傷病手当金の申請や、労災保険の休業(補償)給付を請求する時には、医師から「労務不能」と診断されていることが大きなポイントとなる訳ですが、従業員からの申請・請求対応を行なっている立場からすると色々と思うところがあるんですよね。
今日はこの点について、書いてみたいと思います。
まず傷病手当金と労災保険の休業(補償)給付の支給基準のおさらいです。
傷病手当金の支給基準はこちらの記事に書いていますので、ご参考まで。
次に労災保険法に規定される休業(補償)給付の受給条件は次のとおりです。
2つを比べると、いくつか違う点はありますが、「労務不能(=ケガ等により仕事が出来ず休んでいること)」であることについては同じであることがわかります。
しかし、この「労務不能」についてどう捉えたら良いか、わからないことがあります。
例えばですが、
事務員が仕事中、書類を別の部屋に運んでいるときに、ドアに(利き手ではない方の)中指を挟み、中指の第一関節を骨折したとします。
この場合、5号様式で療養補償給付を請求することは全く異論ありません。仕事中の怪我なのですから、治療費を労災保険から支払うために請求するのは当然のことです。
しかし、この事故で「休業補償給付」を請求するのはどうなんでしょうか。。
何故疑問に思うかと言えば、「利き手ではない方」の中指だからです。
これが、利き手の指だったり、足の指で暫く車椅子じゃないと移動できないとかだったり、体が資本のブルーカラーの方だったら仕方ないですが、「机上が仕事の事務員」の「利き手ではない方」の指であれば、事務仕事はできると思うんですよね。
しかも今時は自宅でだって仕事できるわけですからね。
実はこの労働災害が先日うちの会社で発生しまして、その従業員は結構な日数、休業したのです(守秘義務あるため正確な日数などは控えます)が、それは医師が労務不能と認めているからなんですよね。
医師と言うのは、何を以て「労務不能」としているんでしょうか?
担当した医師や、病院に電話をしても個人情報を盾に一切教えてくれませんし、労基署の労災課に訊ねても個別に判断してると言うだけで、こちらも正確な理由は教えてくれません。
少なくとも労災保険の給付は、企業から拠出された保険料で賄われている訳ですから、できるだけ明朗で公平な支給をしていただきたいものですよね。
今日も最後まで読んでいただき、
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