#65 人気ジョッキーの電撃引退を考察してみる。
若干27歳の、人気女性ジョッキーの電撃引退が公表されました。
この直接的な原因、理由について、JRA(日本中央競馬会)はこのように公表しています。
これに対し、SNS等では多くの様々な意見が投稿されていますが、意見を大きく分類すると次の4通りになるでしょうか。
ただただ残念という意見
JRAの調査やルールが曖昧だという意見
騎手の自業自得という意見
週刊文春が未来ある若者をまた潰したという意見
今日はこのことについて、僕なりに考察してみたいと思います。
まず、JRAと騎手の関係について、騎手は訓練後JRAから免許を受け、中央競馬の場合は美浦トレーニングセンター・栗東トレーニングセンターのいずれかに「所属」するが、JRAや厩舎に雇われるのではなく、基本的に個人事業主とのことです。
報道をみても、ネットで検索しても、オリンピックアスリートのような特定のスポンサー名が出てくる訳ではないので、藤田騎手も個人事業主であると思われます。
個人事業主ということは、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者である労働者ではないので、労働基準法などの労働法令は適用されません。その一方で、自分が出たいと思う賞レースに出るために、自ら努力して掴み取らなければならないと言うことになります。
その上で、冒頭に書いた様々な意見を考えてみます。
まず1つ目の「ただただ残念と言う意見」について。
これは誰もが思うことかも知れません。競馬ファンなら尚のことです。現在55歳の武騎手とまではいかないにしても、これから5年10年は活躍する姿を見られたかも知れない訳ですからね(ジョッキーの引退平均は30代後半だそうです)。
2つ目、「JRAの調査やルールが曖昧だという意見」。
このことに関連して、サンケイスポーツはことの経緯を次の通り掲載しています。
これを読む限り、JRAに問題はなかったように僕は感じますが、皆さんはいかがでしょうか。
他の多くの騎手の皆さんは規則に従って、騎手生活を送っているはずです。また、騎手になるための訓練や教育、指導で規則を学んでいない訳はありませんし、「これをやったら即引退」という具体例を挙げて教えているはずです。
あくまでも推定ですが、JRAに問題はなかったのではないか、と僕は思います。
そして3つ目、「騎手の自業自得という意見」。
2つ目のところに書いたサンスポ記事の通りであれば、藤田騎手は虚偽報告をしたことになります。
細かく見れば、最初の厳重注意は「スマートフォンを所持してサイトの閲覧だけしていた」ことによるもので、「後からその時に第三者と通信をしていたことが発覚した」ことにより、引退に繋がったということであれば、何ら「二重処分」には当たらないように思います。
例えば企業でも、ある従業員に対して譴責処分を行ったとしても、事実確認の際に虚偽報告し、それが後から判明した場合には、その虚偽報告に対して何らかの処分を行う訳です。そして、こういった場合、だいたいは最初の処分(譴責)より重い処分を改めて科し、場合によっては解雇も有り得るものと思います。
そして最後、4つ目、「週刊文春が未来ある若者をまた潰した」という意見について。
確かに、行き過ぎた取材やモラルに反する取材、部数を稼ぐために嘘や推測で記事を書くことは言語道断ですが、誤解を恐れずに言えば「未来ある自分を潰した」のは「騎手自身」なんですよね。
文春オンラインのトップページにはこう書かれています。
もし、「隠された「真実」を忖度なく報じるメディア」の存在がなかったとしたら、藤田ジョッキーは引退しなかった、のでしょうか。
ですが、競馬界は果たしてそれで良いのでしょうか・・・。
さっきちらっとSNSを見たら、「どうせギャンブルなんだから、少しくらいダーティーな部分があったって良いじゃない!」というポストが流れてきました。
そんなことになったら、もっとブラックな方々が競馬界に押し寄せてあっと言う間に乗っ取られて、大変なことになってしまうのではないでしょうか。
そういう意味で、今回の「引退」という措置を導いたJRAに対して逆に拍手を贈りたい。そもそも、今回の件で一番ショックで、一番残念で、一番やりきれないのはJRAの関係者だと思うんですよね。こんな若くて人気のある女性ジョッキーを、一番手放したくないのはJRAなはずです。
そんなJRAがこの結論を出した。
これは、公営ギャンブルである「競馬」を何より大事に、大切にしている証拠だと思うんです。
例えば会社で、営業センスに優れ、いつも数字を出してくる営業マンが、一方で協調性がなく、会社のルールに従わなかったらどうなるか。
ルールに従わないことを誰も注意しなかったり、稼いでるんだからコイツはルールに従わなくたって良い、と社長が他の社員たちに言ったりしたらどうでしょうか。
ルールを守って働いている他の社員から、不平不満がきっとたくさん出てくることでしょう。そして、優秀な社員は、転職していく・・・。
まぁ、そうは言っても、JRAはJRAで今回のことはよく検証し、次の藤田ジョッキーが出てこないようにしてもらいたいものですね。
今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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