効果テキメンな言い回し
※この記事は月刊マガジン ぴのぷらす+の無料公開記事です。
お店で買い物をしたりレストランでメニューを決めようとするときに「そういうオススメの仕方ってどうなの?」と思う表現があります。
あくまで私の主観的なものですが、たとえば「今これがオススメですけどいかがでしょうか?」という内容のことを相手に伝えるときに
「みなさん、これにされています」と必ず付け加えられることがあります。
どんなものが欲しいか何を食べたいかを決める基準は人によってそれぞれだと思いますが、私の場合は「これは自分の似合うだろうか」「自分の好きな味だろうか」など自分のなかで総合的にこれだ!と判断して決めたいと思ったりします。
なので例えば家電を買うときなんかに
「みなさん、これにされています」とオススメされると
「みなさんそうされてますって、関係ないなぁ。今知りたいのはみんながどうのこうのじゃなくて、自分が欲しい機能がついてるかどうかなの!」
と心の中でつぶやいてしまうことがあります。でもそんな風に反論しても「せっかく親切で教えてあげたのに。」と嫌な客になるだけなので笑顔で「そうなんですね」と返しますが。
店員さん的には「みんなが買っている人気のものを買いたいでしょ」という当然の認識からきていると思うのですが、それは日本人のランキング好きな国民性が反映されていて人気のモノを紹介すると喜ばれる、売れるというような図式があるのだと理解しています。
日本人には特有の心理があるそうで、
欧米ではいかに他のひとと違ったことで人よりも目立つかに価値を置いているけれども、日本人はみんなと同じことをする安心感に価値を置いているそうです。
海外で何かを進められるときには「みんながこれを選んでいるわよ」といったようなオススメはされたことは確かにありません。
こういった国民性の違いは、意外にも?飛行機での万が一の緊急脱出の時にも関係があるという話があります。
CA新人時代に聞いたのですがすごく興味深くて、それ以来国民性の違いを感じるきっかけでわすれられない話です。
飛行機の緊急脱出というのは飛行機のスライド(脱出用の滑り台)を降りて脱出するということです。
実際に降りた人はそういないと思いますが、あの滑り台をおりるのって結構な高さがあって結構恐怖を感じます。訓練で初めて降りるときには怖くて降りられず泣いてしまう新入の子もいるほど。たぶん男性でも腰が引けます。
しかし緊急の時には一刻でも早く脱出しなければなりません。
恐怖心を忘れて滑り台をすべるためには国民性に合わせて一声かけるのが有効だと言われています。
アメリカ人には「ほら今いけば君はヒーローだ!」
イギリス人には「ジェントルマンなら君は飛べるはずだ!」
そして日本人には「みんな滑ってますよ!」
たしかこんな内容です。
生きるか死ぬかを争うようなときに関わらず「脱出して!早く!」と言うよりも国民性に合わせて伝えたほうが効果的というこの話はすごく衝撃的でした。
ちょっと話はずれましたが何かをオススメしたり、人に何かをしてもらいたいときには誰にでも同じように伝えるのではなく、その人に合わせた伝え方を探ると効果てきめんに伝わるものだと考えています。
人によって何が効果的かがちがうって面白いですよね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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