CACAノオト vol.10「第14回遊墨展~書とArtのスクランブル交差点~」
こんにちは。CACA現代アート書作家協会です。
2025年のCACAは、名古屋遊墨会の「第14回遊墨展~書とArtのスクランブル交差点~」で開幕いたしました。(会期:2025年1月14日~19日)
遊墨会に所属する17名が個性あふれる作品を出品し、会期中は多くの方にご来場いただきました。ありがとうございました。
古典をベースにした書作品から、書をベースとしたアート作品まで、大小さまざまな作品の中から受賞した作品をご紹介いたします。
第14回遊墨展 受賞作品
■アート・カリグラフィー賞
☆「鹽(しお)」 田中不軌
「塩」の古字に着眼して字形はいじらずに、情意を押さえたシンプルな細線の表現に特化している。文字をカジュアルでポップなオブジェに置き換えたハイブリッドなセンスが評価される。
☆「生」 高橋古銕
「龍門造像記」の造形を起点にし、あえてすべての横画を右肩上がりのままにして均衡を保つと同時にスケール感を助長している。飛沫の効果も含めて素直な筆法の書きぶりが好感度の要因。
■アート・パイオニア賞
☆「日月山」 松尾泉庭
漢字誕生以前の図象記号をモティーフにした時点ですでにシンプルなモダニズムが派生している。素朴で揺らぎの線には呼吸感が宿り、記号の単純さが線質のたゆたいをより鮮明にして見飽きない表現に結びつけている。
☆「幻視」 直
ローラーで引いた線でありながら、偶発的必然のモダンな景色を創出した。面的とも言える画面はきわめてナチュラルで美しい。単純なようで奥行き感のあるマチエールのコントラストは夢幻感覚を誘う。
■ファイン・アート賞
☆「桶狭間」 芋切丸
複雑で奥行きのある色調と、バックの黄なりの紙との素材を生かしたオリジナリティーのある相性が抜群。画面全体を線と面の陰陽で構築していることも見逃せない。
☆「Nocturne」 和香
モノクロームの陰翳が、画面にさざ波立つようなヴァイブレーションを醸している。余白を生かしながら想像力を喚起するに足りるテクニカルな表現力には安定感がある。
会場の様子はCACA公式Instagramでご覧ください。
今後のCACA展覧会の予定
★CACA創立15周年記念
JAPAN Spiritual Calligraphy【書】(仮題)~Classic & Modern~
4/10(木)~15(火)10:00~19:00(最終日は16:00終了)
東京:ヒルトピアアートスクエア(ヒルトン東京 地下1階)