CACAノオトvol.3 ARTの現住所
書アートとは? 岡本 光平
字形にこだわる書道ではなく、書をラインアートとしてとらえると、新たな書の世界を蘇生できる可能性が見えてきます。
アートは素材が50パーセントです。
料理と同じでそこに作者の目線がすでに歴然とあります。
アートはアイデアです。
インスピレーションと知性を働かせないと生まれません。
書は、はじめから筆・墨・紙があるのは考えなくていいのと同じです。
アートの入口は人間の生理に訴えることからはじまり、知性や理性のフィールドに着陸させる心理ドラマです。
アートは人間の、個人のイマジネーションからスタートします。イマジネーションこそが人間の人間たる証しです。それこそが民族や国境を越えてきました。
書がいろいろな約束ごとがある規定問題なら、アートは自由問題です。しかし、歴史をさかのぼると書も実は自由問題がたくさんあります。
世の中には人と同じで満足するタイプと、人と同じがイヤなタイプの二種類の人間がいます。
後者は少数ですがアートをやる資格があります。
モティーフ、マテリアル、マチエール、テクスチャー、と横文字で書を捉え直すといかに今まで書の取り組み方が甘かったか、がわかります。
コラージュ、ドローイング、カービング、ドリッピング、フロタージュ、スタンピング・・・・・書や篆刻を捉え直す技法や点・線・面の視点はいくらでもあります。