いきなり短歌を始めたら「優雅だね」と言われた2019年の秋。
「貴族か!」「何やってんですか!?」「優雅ですね。」
最近周囲から言われがちなこの言葉。
何事かと言いますと、短歌を始めてみました。
唐突もいい所なんですけど、短歌、始めてみました。
理由は多々、あるんです。いや、そんなにないです。
1.短歌を始めてみた理由その1
「粋な男」について勝手に考えてみました。
そこで、話題に出たのは「藤田嗣治」。
言わずと知れた日本絵画の巨匠。
彼は記憶力がすごく、一度見た人の似顔絵をさらっと描いてしまうらしい。
「それ、結構かっこいい」と今更ながら感じてしまい、
「じゃあ、俺、さらっと短歌詠めたら粋でかっこいいのではないか」
と、感じてしまったのです。
例えばこんな状況。
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一緒に歩いている女性が「この花綺麗だよね」と言う。
↓
その場でさらっと一句詠む
↓
かっこいい
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単純に、そう思ってしまった。
そして、その話を何人かの同僚女子、周囲の女子に
「そんな男、どう思う?」と聞いてしまった。
結論としては「気持ち悪い。」と言われた。
ただ、短歌を始めること自体は好意的だった。
一応伝えておくと、モテたいがために始めたわけではない。
あくまで、「さらっと詠める男」になりたかった。
何事も物事を始めるきっかけや、動機は単純でもいい。
偉大なるミュージシャン、エリック・クラプトンだって、ギターを始めたきっかけは、「モテたいから」だ。そして、今や歴史に名前を残すギタリストだ。
モテそう。
ただし、何度も言うけど動機はモテたいからじゃない。
あくまで、「さらっと詠める男」になりたかった。
なんだか、それって粋だ。と厨二病的に感じてしまったからだ。
もう一度言うと、周りの女子は、「短歌を始めること自体」には好意的だった。
2.言葉に彩が欲しい。
言葉に彩が欲しかった。
なんと言うか、何か、物事を表現するときに、ストレートに表現するのではなく、比喩表現や、多彩な形容詞で例えられたらかっこいいのではないか・・・。そう思っている自分がいる。
これ、実は結構悩んでいて、この1年半くらいですかね。
めちゃくちゃ簡潔にロジカルに伝えるための提案書を書く機会が多くて、どんどん比喩表現だとか、何かに形容することが苦手になっていた。
「ウィットな自分、消える!」と言う勝手なる危機感。
元々あったかは知らない。ウィットな自分。
そこで、考えたのが「短歌」ではないか。と思った。
勝手に考えた。
実際に、あまりにもストレートに物事を言いすぎると、強く言ってしまったりする場合がある。もちろん、それはさらっと物事を伝えることなので、この忙しい現代社会においては、圧倒的に正しい。みんな時間がない。
当たり前だが、伝達事項で、SLACKなんかで、要件を伝える時に、短歌で伝えたら、「こいつ何やってんだ?」と思われるだろう。だろうどころではなく、間違いなく、怒られるに近そうだ。
ただし、何でも文字ベースで直接的に伝える時代、考える余白はとても大切な気もする。想像力が入り込む隙間が欲しかった。
そこで、「美しい意思表示」として短歌なのではないか。と考えてしまった。
元々、苦手なんですよ。小説みたいな文章書くの。事実ベースをレポートすることはまぁ、できるんですけど、彩鮮やかな物事の表現が苦手。
簡潔にロジカルに伝えるための提案書を書き続けていたらなんだかその彩が失われてきている感じがして嫌だった。
だから、始めてしまった。
「あなたが好きです。めっちゃ抱きしめてキスしたいです」と好きな人に言いたくてもいきなり言ったらやばそうだ。状況によっては。だけど、さらっと言いたかった。何かの例えで。
ただし、友達からは「いきなり回りくどく言われたら気持ち悪い」だった。
そんなことを考えながら、色々な短歌を見ていたら、純粋に思った。
「短歌、美しいぞ」と。
五・七・五・七・七の合計三十一文字で送り出される感情。
万葉集などを見ていたら、純粋に綺麗だった・・・。
これ、やりたいなと素直に感じてしまった。
実際に始めてみると
実際に詠もうとしてみた。
まぁ、できなかった。当たり前だけど、やったことないので。
それで、人がどう短歌を詠むのかを見てみたくなったので、
某新聞社主催の短歌教室に入会してみた。
まだこれから第一回目の講座が待ち受けているのだが、受講にあたり、課題として、「自身の句を2首、事前に提出する」と言うお題が出てきた。
今、この段階で(2019/10/31)、つまづいている。なぜなら、「やり方がわからなかったから入会した」のにだ。
とりあえず、ひたすら今は伝えたいことを書き出している。恋愛、悩み、世の中とてもエモーショナルな言葉がノートには並んでいる。
偶然知人でも拾ったら何事かと思われるだろう。
でも、怖くも何ともない。新しい表現方法を身につけられるかもしれない。
今はそんな期待で胸いっぱいだ。教室で出会う見知らぬ短歌の数々や見方、受講生の人生の先輩の方々(皆さん還暦以上で、どうやら最年少くさい)との出会いも楽しみだ。
とりあえず恥ずかしがらずにまずは詠んでみよう。そう思う次第であります。