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そこにある場所:レコード店の映画・OTHER MUSIC
【きっかけとなる場所】
ニューヨークのレコードショップ、Other Musicのドキュメンタリー映画。
2016年6月に閉店してしまっていて、今はもうない。
人には「集まる場所」と、「何かのきっかけとなる場所」等ものがある。
僕にとっては、生涯の友人に出会うことができたクラブやライブハウス、書店かもしれない。
ニューヨークのこのお店は映画を見る前は、単なる大型店では扱わないインディーズや海外の音楽を紹介し、埋もれた名作を発掘したレコード店「イケてるレコード店」という認識しかなった。
でもここは「全ての始まりの場所」だった。
同じ職場で働いていた友人同士、クリスとジョシュの2人が1995年にオープンしたお店。場所は、タワーレコードの目の前。
ここまでを見ると、大型商業店舗へのカウンターカルチャーとして見えるかもしれない。実際に、そういう形で存在している場所やお店もあると思う。
しかし、ここでの両店舗は、ニューヨークのイーストビレッジで人々が音楽に出逢い、カルチャーに触れるための共犯関係だったように見えた。
欲しいものがある場所に行くのは、顧客の自由。どっちのお店が優れているとかでもなく、どちらかがあることで、それぞれの特徴が際立っていき、人は選択肢を与えられて、結果、人がそのエリアに集まってくる。
人が集まれば、自然と会話が生まれて、きっかけがたくさんできて、思想や生き方が交錯していく。
タワーレコードの閉店や、9.11のテロ、インターネットをきっかけにお店の売り上げに影響し、結果、ストロークスやインターポル、DFA、Yeah Yeah Yeahs、アニマルコレクティブを発見して行ったイーストビレッジは
音楽の中心地ではなくなっていった。
そして、CDではなくフィジカルでなくてMP3を人はダウンローそしていくことになり、サブスクリプションに行き着いていく。
たくさんの情報に自由に触れられる世界が今、ここにある。選択肢が多い。むしろ、迷うくらい増えすぎた。
このお店では、膨大な知識と全て手書きのポップに表せるような音楽愛に溢れたショップスタッフという音楽のプロが
お客さんの全ての質問に答えながら、音楽との暮らしを作り上げていた。
文化的な共創関係がそこにはあった。
でも、そこでアクセスできる音楽は世界中の全てではない。だからこそ、強烈な愛情や想像力から、僕らは自分だけの世界を作っていけるのかもしれない。
誤解しないで欲しいのはリアルな店舗が優れていて、インターネットが行けないことではないということ。
考えてみて。今、スマートフォンがなくなったら暮らせる?答えは僕はNoだ。不便すぎる。慣れとはそういうこと。
この映画はノスタルジーではなかった。
「人って選択肢が割とあるし、その選び方は自由だよね」ということを再認識させてくれた。
もちろん、お店がないよりはあったほうが1億倍素敵だ。
そして、信頼できる誰かが自分だけのために選んでくれて、お薦めしてくれたレコードはきっと一生の思い出になると思う。
サテツマガジン、そんなお店ができたらいいな。
オンラインもオフラインも温かみはあるとお思う。
ただ、人が目の前に伝えていこうとしているのか、不特定多数に誰のためなのかわからない声にしてしまっているだけで何か間違い起きてしまっているだけなのかもしれない。
素敵なお店があったんだなというだけではなく、なんか、人と話すっていいんだろうなやっぱり。と思わせてくれた素敵なお記憶だった。
そういえば、このお店での売れたレコードランキングをホワイトボードに描かれているシーンがあった。
1位は別アンドセバスチャン。3位がBords Of Canada。それ以外にもたくさんの90年代から2000年代前半の素敵なレコードがたくさん並んでいた。
それがどうした?というわけではないけれど、なんかそういうレコードが好き嫌いは別としてかっこいいと思う人が僕は好き。
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