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自分の楽しさを取り戻すには相手を見つめて気が付いてみてもいいのかな-映画「イーディ、83歳 はじめての山登り」

40も手前になると、時々不安になるんですね。「あとどれくらいやり直せるんだろう」って。

たまになんですけど、帰宅して一息つくと、そんな気分に包まれる時があります。

でも、きっかけを掴まないと、何も始まらなかったりします。

そんな出来事って案外「ないな」と思うところから出てきたりするんですよね。不思議と。

あくまで、自分の話ですけれど。

「イーディ、83歳 はじめての山登り」という映画を帰り道にふらっとシネスイッチ銀座に入り見たんですね。

千代田線沿線に住んでいるので、気が向いたら映画館に立ち寄るんです。空き時間は映画か演劇か、美術館。

喫茶店で時間を潰すことが苦手だし、書店やセレクトショップに入ってしまうと、買い物してしまうので、基本一番近くで始まる映画に入ってしまうんですね。

完全に余談ですけど。

このお話は、30年以上障害を持つ夫が亡くなった後に、「人生でやり残したこと」つまりは昔々に冒険好きの父親と「いつか登ろう」と話していた

スコットランドの山に登山をしに行ってしまう老婆のお話。ここでは綺麗事でもないんですよね。結婚をしてから、自由奔放な主人公のイーディは、

夫に縛られて何もできなくなったと深く考えている。そして、「誰かのせいで実現できない自分の暮らし」に悩み続ける。

そんな彼女が思い立ってスコットランド最高峰、スイルベン山へ娘に置き手紙を残し、したこともない登山をしに出かけてしまうのです。

亡き父からの約束の手紙を前に、悶々としていた彼女を突き動かしたのは、馴染みのフィッシュ&チップス屋の店員とのやり取り。

追加注文をしようとする彼女に言った一言。「何も遅すぎることはないさ」。がきっかけになるのですね。

そう、彼女はしがらみが取れたと思った時には、83歳。そこで人生の忘れ物を取り戻すにはあまりにも時が経ってしまったと思い込んでいた。

でも、何かに突き動かされるかのようにスコットランド行きの列車に乗り込んでしまうのです。

と、ここだけだと「遅い挑戦も実現できるいい話」と思いがちなんですが、ポイントがあったのです。

スイルベン山のある街は田舎町です。ここでは、街を出ることを諦めた(一概にそうくくれないけれど)人たちが、ささやかな楽しみの中で暮らしています。

偶然、もう1人の物語ののキーパーソンである若い男性、ジョニーに出会います。

ここから先はネタバレになるので、物語は大分割愛します。

彼は、この街に暮らし続けている。「本当にいいのか。出ていなかくてこれでよかったのか」とも取れるような口には出さない気持ちを心に秘めながら暮らしているように見える。

そこにロンドンからいきなり難関の山に登りたいと言い出した生意気でわがままな老婆が現れます。

もちろん、我の強い2人はぶつかります。ぶつかりながらも、時間が解決していくような展開にはなるのですが、この2人。

【イーディ】夫に縛られた世界に閉じ込められていると思い込んでいる私。
【ジョニー】田舎町で暮らしていかないといけなく、地元に縛られていると思い込んでいる僕。

という感情がまるで映し鏡のようになって出会うはずのなかった2人が共鳴していくのです。

2人はずっと自分の気持ちを秘めながら日々に向き合ってきた。だから、自分自身をお互いに見つけ、近づいていったのかな。と見えたのです。

本題から逸れました。無謀ですよね。83歳で難関の山に登るなんて。それを成功する、しないという表向きのテーマよりも、僕は、「相手を見ながら自分の芯に気が付いていく」という気付き。ここがこの映画の好きなところです。この2人、出会った瞬間から数日間は間違いなく「こいつはないな」と思い合っているのですね。

少しずつ笑顔になっていく2人の姿は「キュート」という言葉でしか片付けられないくらいの光景なのです。

それで、自分に当てはめてみます。これまでの人生、色々なことがありましたが、結構環境や他人のせいにしてきたなと。

でも、他者って変わらないんですよね。瞬間では。長い間一緒にいたらまぁ、わからないですけど、自分のきっかけで気が付いていくしかなかったりします。

最近そんなことをずーっと考えています。捉え方でしかなくて。

と、「自分はどうなんだろうなー」と感じながら見ていました。まぁ、いくらでも考え方次第でやり直せるでしょう。きっと。多分。

そのためにも相手には向き合いたいなーと思います。というか、向き合います。

この2人の姿を見ていると、何歳からでも変われるんだなとも思います。

実際、時代とともに、寿命はどんどん長くなります。だから、遅くはないんですよね。多分ね。死ぬまで。

なので帰り道、キックボクシングジムの前を通りがかった時にふと立ち寄ってしまいました。今年、40で初めての試合をやる!と決めたので。

先生、いいこと言ったなー。34歳のアマチュア王者なんですけど、「今からプロのチャンピオンになるね」と。絶対にこの歳からでもやるからと。そんなこと言われたらやらなきゃとこちらまで思ってしまいます。なんか2人でサンドバックを打ちながら夜が更けました 笑。

映画は・・・「景色がめっちゃ綺麗だった」です 笑。

まぁ、無理なものは無理なんですが、そこは妥協せずに楽しくやって行きたいですね。

どうでもいいんですけど、明日、雪が降ったら千葉まで見にいく予定の人間国宝、柳家小三治独演会に行けるのかどうか、少しだけ心配なのです。

とうとう他県まで落語遠征をする人間となってしまいました。

落語、最初全くわからなかったんですよ。本当に自分には無理なジャンルだと思い込んでいたので。それが今や・・・。

UWFで言う密航ですね。(わからないと思うこの話←)

でも、小三治さん無理せずに。

ということでした。

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増田ダイスケ
新しいzine作るか、旅行行きます。

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