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マンション管理士の試験に受かるための勉強方法

マンション管理士の試験は暗記だけでは合格できないと言われます。
これに対して管理業務主任者は、暗記だけでも合格できるとも。

この違いは何なのでしょうか。

「なぜ」の重要性

キーワードはチェック

資格取得には過去問の反復は重要な試験対策です。
個人的にも推奨しています。
しかし、過去問の反復を続けると自然と答え(番号)を暗記してしまいます。
また、問題の流し読みが癖になります。
結果、過去問の正解率は上がりますが、本質的な理解が出来ないまま理解をしたと勘違いしてしまいます。

これは非常に危険で、本試験でも同様に読み流すことで問題の答えを勘違いしてしまうことがあります。

答えではなく個々の設問を理解する

過去問反復を続けると過去問の正解率は上がりますが、本質的な理解が出来ないまま理解をしたと勘違いしてしまいます。

各問題には4つの設問があります。
各設問のひとうひとつに正誤があり、それぞれに「なぜ」〇なのか、✖なのかを説明できることが重要です。

これを繰返すことで、問題の主旨が代えられても対応できる応用力が自然に身に付きます。

ネットをテキストにする

過去問題集は数多く出版されています。
各設問の詳細な説明が書かれ、非常に有用な参考書だと思います。
しかし、解説文が理解できるかできないかは別な問題です。

法律の条文を読んでも理解できない時は、ネットで調べることです。
多くの方が解説をしていますが、方法や分かり易さが違います。
自分が理解しやすい解説を見つけることが早道です。

それでも理解できなければ、ツイッターや当サイトの様にお節介な世話焼きを見つけて質問することです。

民法は考え方を覚える

解説文は民法○○条で定めていると回答を導き出しますが、すべての条文を覚える訳にはいきません。
ではどのように理解するのか?
「なぜ」この法律が定められているかの背景と関連づけて覚えることが重要です。
民法は弱者を保護するための法律です。
そのことを頭に入れ、理解する時に誰が弱者かを考えながら覚えると出題のパターンが変わった時でも簡単に解けるようになります。

区分所有法とは何のための法律か

マンション管理士にとって区分所有法はバイブルです。
特に難問として出題されることが多い、3条、57条~60条です。
3条はマンション管理組合が生じる理由を定めた条文です。
57~60条は権利の停止やはく奪に関わる条文です。
これ以外に区分所有法が何をするための法律なのかを考えながら読むことです。
そして、民法が基礎にあることを理解して理解することが重要です。

区分所有法と民法の関係を理解する

区分所有法は民法の共有所有と関りがある法律です。
少なくとも共有所有に関する条文は理解しておかないと区分所有法を理解することは難しいでしょう。

これ以外にも「占有者」と言う言葉も区分所有法ではよく使われます。
占有者には幾つか種類があることを知っていますか。
占有者の定義は区分所有法には書かれていませんが、民法ではしっかりと定めています。
家族も占有者ですが、違法占拠者も占有者です。
占有者の状態を決めるのは、どのような権利に基づき、その工作物(専有部分)を占有しているかによって法律上の扱いが異なります。

このように区分所有法と民法を関連付けながら覚えないとマンション管理士試験の合格は難しいでしょう。

その上でよく出題される条文は何かを知り、その条文を深く理解することがマンション管理士の合格には必要になります。

標準管理規約を理解する

標準管理規約は指針です。
あくまでも国土交通省が組合運営のためのルールとして公開していることを忘れるべきではありません。
そのため、出題には必ず「標準管理には、標準管理では」と記載があります。
言い換えれば区分所有法で「規約に別途さだめることが」と書かれた部分が問題に出題されていることになります。

標準管理規約を攻略するためには「変えることができない条文」を頭に叩き込むことです。
その上で標準管理規約で記載されていることとを覚えます。

受験生にとっては非常に難しいと思います。
実務を経験するとパターンは限られていることがわかります。
過去問題はそのパターンから出題されることが多く、反復することで身につけることが大切になります。

長文の読み方に慣れる

管理業務主任者の試験は基本を中心に出題されますが、マンション管理士試験は設問を長文にした上で、判り難い表現を使い受験生を悩ませます。

しかし、どんなに長い長文であっても問題を解くカギは権利関係です。
問いに無関係な修飾語を排除すれば、問われている内容は民法の基本です。
キーワードを早く見つけるためにも、問題文は読みながら「キーワード」に印をつける癖を身につけることも重要です。

何年分の過去問が必要か?

最低10年は必要だと思います。
10年分、50問、設問4つと計算すると2000問になります。
もちろん、問題によっては設問数が違いケースもありますが、これを利用しない手はありません。

最近ではネットの通信教育も多く出ていますが、似たり寄ったりの解説だと思っています。
もちろん、主催者は試験のプロで教えることに長けた人達なので受かるためのカリキュラムを提供しているはずです。
しかし、合否をわかるのは皆さんの理解度です。

どんなに優れたカリキュラムであっても身につけなければ意味はありません。
そのためには、過去問は理解度を判定するいい目安になります。
是非、過去問中心の勉強をお勧めます。

特に設備関係は10年分は絶対に10回以上は反復することが必要です。
設備は10年前の問題が何度か繰り返し出題されています。
ここ数年に出題された問題は、翌年出題されることは少ないとも言えます。

また、トレンドを大切にすることも重要でしょう。
近年ではLED、給湯器等のエコに関する出題は増えています。
過去問でもトレンドがある問題は注意が必要だと意識するだけでも違います。

例えば、マンションに設置する太陽光発電ですが、出力によって電気法上の分類が異なり、管理法令もことなります。
このような問題は、必ずチェックをすべきでしょうね。

改正された法律の取扱い

民法の改正、不動産登記法の改正、個人情報保護法の改正、マンション管理適正化法の改正などここ数年、法律の改定が続いています。
例えば、民法の成人の年齢ですが、これが他の法律にどのように影響しているかも確認しましょう。

最後に

マンション管理士試験は足切り試験です。
正解率の上位10%に入らなければ合格が出来ない試験です。
仲良く同じカリキュラムで勉強しても所詮はライバルと差を付けることはできません。
基本が出来て当たり前、その上で難問をどれだけ理解しているかによって合否が分かれます。
自分にあった勉強をいち早く見つけ、反復することが合格への近道だと思います。
当事務所が提供する情報は、基本より理解を深めるために必要なことを中心に提供しています。


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