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2|ドラマ『恋愛偏差値』
【毎週金曜日 読書】の回
2002年に放送されたドラマ『恋愛偏差値』(フジテレビ系、木曜日22時〜)は、私に読書をするきっかけをくれた作品だ。
ドラマは3つの章で構成されており、私にきっかけをくれたそれは、中谷美紀さん主演の『第一章 〜燃えつきるまで〜』で、仕事も恋愛も順調な主人公 怜子が失恋を機に、人生の歯車が狂っていく…という物語だ。
当時10歳の私は、怜子の全てに憧れた。スーツを纏い、ヒールを履き、勤務する大手住宅メーカーでは上司や部下からの信頼も厚い。怜子の住まうマンションはオシャレで、寝室の壁一面は無造作に置かれた本が占領していた。仕事帰りには、交際相手の部屋へ向かい、湯船に浸かりながら読書をする。行きつけのバーではカクテルを飲みながら読書をする。雑誌のoggiとかgingerから飛び出してきそうな格好をし、仕事は順調で趣味に読書をするなんて、その全てが都会的で、自立していて、美しい。
やっかいなのは、私はドラマ『恋愛偏差値』を見初めて、すぐに読書を始めたわけではない。読書という行為に憧れていたし、一刻も早く読書をしたいと思っていた。しかし、親元で暮らす学生の身分では私が思い描くシチュエーションが叶いそうもなく、その日が来るまで憧れの炎を消さないでいた。
その日は、突然やってきた。大学生になった私は、親元を離れ一人暮らしを始めた。親から仕送りをしてもらっている分際なのに、急に自分は自立したのだと思うようになった。バイトも始めて、お酒も飲むようになった。
怜子降臨!
バイト代を握りしめ、本屋へ向かった。それまで、参考書コーナーしか行ったことがない私にとって、小説やビジネス書コーナーはまるで異世界だった。背表紙を見て、気に入った本を確か2冊買った。もう、それはそれは高揚した。禁断の果実を食べてしまったような気分だった。それ以来、私の生活に読書は入り込み、今では寝室の壁一面を本棚が占領するようになった。
明日も良い日になりますように!
キャット・ワンダー