【機内アナウンス】日系と外資系の違いは?知られざる裏事情&アナウンス力を上げる方法
機内アナウンスは、保安や安全面での情報を提供する大事な手段。
他にも、各エアラインの印象を左右する大切な役割があります。
たかが機内アナウンス、されど機内アナウンス。
侮れない存在ですね。
ANA・JALの機内アナウンス事情
ANAやJALなど日系のエアラインでは、必ず機内アナウンスの練習がありました。
例えば、ANAでは、グレードを取得した先輩から、丁寧な指導を受けます。
その後、アナウンスグレード取得の試験を受け、グレード認定してもらいました。
チーフパーサークラスになると、日本語・英語ともにトップクラスのグレード取得者でなければいけません。
✈︎「チーフパーサー」についてはこちらでお話ししています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
グレード取得の上で重視されることは、
スピードや滑舌などの聞き取りやすさ
発音やアクセント
信頼感
などです。
特に地方出身者の場合、どうしても最初のうちは方言がでてしまいます。
敢えて方言を入れたアナウンスが好まれる場合もありますが、最初は基礎として標準語のアナウンスを習得しなければいけません。
そのため、方言などのアクセントも徹底的に矯正していきます。
アナウンスを「読む」のではなく、お客さまにきちんと「伝える」ことができているのか。
そのために、どこで区切り、どこにアクセントを置くのか。
ハイグレード取得者の先輩方から、細かい指導を受けます。
これが、自分ではできているつもりでも、なかなかうまくいかず…
さらに、地上ではうまくアナウンスができても、マイクを通すと声の音量などの調整も難しく、苦戦します。
フライトとフライトの間のお客さまがいない時に、機内で練習させてもらったこともありました。
外資系・中東エアラインの機内アナウンス事情
エミレーツ、カタール、エティハドなど、中東エアラインの機内アナウンスは、
アラビア語(エアラインベースの母国語)
英語
到着地の言語
とのように、路線に合わせて2ヶ国語〜3ヶ国語で実施されます。
イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、到着地の言葉が英語の場合は、2ヶ国語となります。
また日本線では、
アラビア語:母国語クルー
英語:チーフパーサー
日本語:日本人クルー
との順番と担当者で、機内アナウンスを実施。
チーフパーサーの母国語がアラビア語の場合は、チーフパーサーが1と2両方を担当するということが一般的です。
中東エアラインでは機内アナウンスは、先輩方のアナウンスを聴いて覚える、自分で練習するという方法です。
外資系エアラインの中でも、アジア系などは日系と同じようなシステムを採用している場合もあるようですが、中東エアラインの場合は、比較的カジュアルです。
日系から中東エアラインに転職すると、アナウンスの練習方法の違いにかなり驚きます。
また、アナウンス担当になると日系では喜ばしいことや、誇りをもって取り組むようなこととの傾向があります。
しかし、多くの外資系エアラインでは真逆。
なぜなら、アナウンス実施のタイミングは、
離陸前
離陸直後
着陸前
着陸直後
この時間帯は、とにかく機内がバタバタしており、お客さま対応や保安業務で忙しいことが多いので、「できれば避けたい…」と考えるクルーが多いよう。
さらに、外資系エアラインでは、エコノミークラスの一番経験が浅いクルーが機内アナウンスを担当することが多く、日系との違いに驚きました。
アナウンスが得意な先輩や、優しい先輩などは、アナウンスを臨機応変に変わってくださる方もいらっしゃいましたが、多くの場合は「ジュニアの仕事」との雰囲気でした。
アナウンス力を上げるためには?
航空会社によっては、選考時に『機内アナウンス』が実施される場合もあります。
多くの場合は、入社するまで機内アナウンスに馴染みがない人がほとんどです。
私も、もちろんその1人でした。
そのため、事前準備としては、
自分の声をスマホに録音し実際に聴いてみる
第三者の意見を聞き、自分のアナウンスに足りていないところを研究する
ことがポイント。
選考本番では、冷静に面接官からの指示を聞き、自分が何をするべきなのかをしっかりと理解したうえで、行動に移しましょう。
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普段、飛行機に乗る際は、機内アナウンスをなんとなく聞いている方も、機会があれば、じっくりと耳を傾けてみてくださいね!
日系では、熟練された機内アナウンスが、外資系では初々しくユニークな機内アナウンスが聞けるかもしれません。
エアラインのカラーが詰まった機内アナウンス。
その違いを感じながら、ぜひご堪能ください!