pulse everywhere day1/The Tableau Blueprint: Driving Outcomes Around a Maturity Model
CS Leadersの2つ目のセッションはTableauのTableau blueprintというサービスのカスタマーサクセスについて。
昨今のデータ・ドリブンな世間の流れですが、マッキンゼー実際にデータ・ドリブンな組織作りを実現できている企業は全体の8%。残りの92%は重要と理解しながらもまだ成功しているとは言えないレベルの模様。
Tableau blueprintにおけるカスタマーサクセス
Tableau blueprintは組織のデータ・ドリブン化に寄与するサービスですが、Tableau blueprintというサービスについてこれら3つの要素が組織に根付けばサクセス(=データ・ドリブン化できる)と定義しているようです。
・Agility = アジャイルであること。初めのうちはセキュアで安定していることが大事であるものの、組織の変化や成長、拡大に迅速に対応できる必要があります。
・Proficiency = 熟達すること。分析したデータは色々な人が見て分かる必要があり、また経営の意思決定にも大きく影響するため、熟達している必要があります。
・Community = コミュニティといっても組織内のコミュニティのことです。データ・ドリブンへの熱意や学習意欲を持続させるためには組織内のコミュニティが重要です。
3つの要素を根付かせるための段階的なガイド
ガイドも今回のPulseのキーワードでもありそう。手取り足取りではなくてガイドする。それもstep-by-stepで顧客の進度に合わせて、顧客によって必要なものを組み合わせているらしい。
もちろん、ここに一朝一夕でたどり着いたわけではなく数年かけてここまできました。組織に浸透しなかったなど、ありがちな課題を経てというのはどこも同じようなものなんですね。
そして顧客がより早く成果を感じたいものや、よりしっかりと身に付けたいものに関しては追加のサービス(=有償オプション)も十分に用意されている。
Tableauはカスタマートレーニングにもかなり重きを置いていて、e-learningは顧客からも好評且つ必要とされているサービスのようです。当初はTableau側でラーニングパスを用意し、提供していましたが現在では利用者側が必要なコースを選択できるようにしています。内容も、ドキュメントベース、講義ベース、仮想環境ベースなどしっかりと整っています。
コースの終わりには修了テストがあり、合格するとLinkedInで共有できるバッチを取得することができます。
日本のトレーニングはどうしても「問い合わせずに済むような問題は自分で解決できるようにするとスムーズ」といった半分顧客のため・半分サービス提供者の負荷軽減のためという部分が拭いきれないところがあるのが現実。
世界的なサービス且つ転職が日本よりも一般的なアメリカだからこその教育の動機付けだなと感じました。
実際のカスタマーサクセスモデル
顧客が使えている/使えていないはTableauのサービス側が評価し、顧客がそれを受け取ります。そしてCSMと顧客とでその結果を確認し、どうすれば改善できるかのベストプラクティスを提供します。
上図のように、用意されたものを適切に組み合わせてあげるという方法のようです。顧客はTebleauが仕事の全てではないということを理解し、CSMがアクションプランを検討するということです。
こうしてしっかりと顧客を成長させ、データ・ドリブンな世の中にしていくことはTableauのミッションなわけです。
データ・ドリブンとは一般企業に限った話ではなく、Tableauを使って国連の機関がアメリカの州別のコロナウイルス感染者や死亡者などの分析に利用し、アメリカ国家や州の方針の決定にも使われているそうです。
まとめ
Tableau blueprintにおけるカスタマーサクセスの策定モデルは
1.顧客の成長モデルを作ること
2.相手がどうすべきか指示するようなアプローチを用いてカスタマーサクセスへと導く
3.製品のベストプラクティスとカスタマーサクセスのための共有ビジョンを中心に組織を調整
Tableau blueprintでは顧客の成長をカスタマーサクセスの軸としていました。業種業界も様々、だからと言ってオーダーメイドでハイタッチとするわけではなく(これまで出てきたところよりはハイタッチ≒コンサルに寄っていますが)ある程度のメニュー・コンテンツを組み合わせるというのが特徴的でした。
また、教育に関しても段階的に・役割(管理者・利用者など)ごとに違うコースなど用意していることはトレーニングの観点だけでなく顧客の理解度をデータとして持っておけるので、今どのJourney段階に顧客がいるのかを測ることにも使われている。
ハイタッチのが楽なのでは…と考えてしまうほどに作りこむ必要があるのがテックタッチ。もはやテックタッチという言葉すら出てこないほどにこれがスタンダード。
ここまで見てきたところどこにも共通しているのは"段階的"に"ガイド"するということ。顧客の現在を顧客のアクションから定量的に把握する(多分この定量的というのが日本人はあまり得意じゃない)ことで段階というものが分かってくる、引き出しから正しいものを選択できるのだと思います。
おもてなし文化やお気持ち営業の強い文化の日本でこれがどこまで上手くできるのかは未知な部分はありますが、チャレンジしていきたい分野だと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?