バグ's Life~恋愛感情は、ただの「バグ」?~
ありったけの記憶をかき集めて、
率直に答えてほしい。
【質問1】
こんな人の、一体どこに惚れたんだろう…。
と思う相手と付き合った過去がある。
素直な感情のみを総動員して、
正直に答えてほしい。
【質問2】
こんな奴と結婚する人いる?
と思う既婚者に出会ったことがある。
◼️質問の答えは「Yes」
ちなみに、私の質問の答えは
どちらも「Yes」だ。
別れた元恋人のことを思い出すたび、
なぜ私はその人と付き合ったのだろう、
と考えずにはいられない。
今の私なら、その人と知合いにはなれても、
恋人同士には絶対ならない気がするからだ。
「若気の至り」という使い古された言葉で
納得を繰り返してきた私だが、
ある時ドストライクな答えが降ってきた。
◼️その答えは「バグ」
元恋人と付き合い始める前後、
私は「バグ」っていたのだ。
もっと具体的に言えば、
私の自己肯定感が異様に低下していた。
当時の私は、自分を全肯定してくれる
任意の人間を求めていただけで、
私が生理的に受け入れられて、
直接的な好意を示してくれる人であれば、
実は相手は誰でも良かったのだ。
だから、
自己肯定感が満たされたか、
はたまた、
自己肯定感が低いままでも
とりあえず生きる術を獲得できたからか、
私の「バグ」った自己肯定感が
それなりに安定したため、
元恋人の魅力は、
今の私には全く理解できないものに
変わってしまったのだ。
(と今の私は理解している)
◼️その答えも「バグ」?
大変失礼かつ、傲慢な意見で申し訳ないが、
こんな奴と結婚する人が
この世に存在するのが不思議で堪らない…
と密かに思ったことが、私には何度もある。
▪️配慮が決定的に欠けている。
▪️ふるまいが暴力的過ぎる。
▪️思考が独善的で、言動が排他的。
私が個人的にそう感じるものは、
▪️率直でユニーク!
▪️超絶ワイルド!!!!!!
▪️意志が強く、決断力に長けている!
と解釈し「強烈な魅力」だとも見なせる…。
そう自分に言い聞かせ、
己の偏見を自重していた。
だが、こちらの疑問も「バグ」の一言で
すんなり解決できないだろうか。
恋愛中は感情が「バグ」るので、
まともでない人間でも、
伴侶に選ばれる可能性が十分にある、と。
そして、
離婚がタブー視されていた時代では、
「バグ」から醒めても
諦めて結婚生活を継続し、
残りの人生を消化するしかなかった、と。
◼️No Life, No「バグ」?
失敗のない人生が
完璧な人生ではないように、
決して「バグ」らない人生も
完璧な人生ではないのかもしれない。
(何より、つまらなさそうだ…)
もしかしたら、
生涯ずっと「バグ」になど気付かず、
死ぬまで「バグ」りっぱなしの方が
人生は楽しく、人は幸せなのもしれない。
また、
感情的に「バグ」ることがなければ、
人は恋愛(結婚)など
できないのかもしれない。
そう考えれば、
己の「バグ」も、他人の「バグ」も、
それぞれの人生を豊かにする要素である、
と喜んで受け入れられそうな気がする。
……いや、
理性やモラルといったフィルターを通さず、
純度120%の本音を白状しよう。
過去の「バグ」った自分には
『時間の無駄だ、さっさと次いけ!』
人を見る目が「バグ」った他人には
『そんな奴の遺伝子を後世に残すな!』
と声を大にして言いたい。