闇バイト撲滅キャンペーンもまた、闇まみれ
「怒らないから正直に言ってごらん」
「悪いようにはしないから…」
この類いのセリフを聞いて、
警戒しない人はいるだろうか。
おそらく、いまい。
この類いのセリフを耳にする時、
それは、何かよろしくないことが起こる
フラグでしかない。
少なくとも、私はそう思う。
◼️本当に本当?
「警察は、貴方と家族を保護します」
闇バイト加担を思い留まらせようとする
警察のこの言葉を聞いた時、
私の脳内では、
無条件で即座にこう言い換えられた。
闇バイトで痛い目をみるか、
警察署で痛い目をみるか、
どちらか選べ。
もしくは、
拘置所は、安全です。
権威を強調する制服を着た
キャリアっぽい男性警察官が、
そう言っていた映像を
ニュースで見たせいかもしれない。
「保護される前に、ひどく怒られそう…」
直感的にそう感じ、回避本能が働いた。
まぁ、闇バイトは犯罪なので
「罰せられる」という前提が当然ではある。
◼️アメはムチより強し
闇バイトとは無縁の
善良な市民(私)でさえ、
警察のその言葉に
どうしても恐怖心や疑念を抱いてしまう。
権力と暴力は、本質的に表裏一体
と考えている、私だけなのかもしれないが。
よって、
権威を全面に押し出した(と感じられる)
警察機構のこのアプローチは、
闇バイト応募者にとって、むしろ逆効果だ。
誰よりも優しく、
より丁寧な言葉で寄り添い、
不安や迷いを解消してくれる
闇バイトのリクルーターに
闇バイト応募者をより傾ける結果となる。
アメとムチが
それぞれ別の者から同時に使われた場合、
アメ(闇バイトリクルーター)の効果は
ムチ(警察機構)のそれに
圧倒的に勝るのだ。
◼️正論は効果ナシ
すでに犯罪に片足を突っ込んでいる
後ろめたさ120%の闇バイト採用者にも、
警察機構の言葉は届くまい。
人は不安や危機を直に感じている時、
まともな判断力など
往々にして働かないからだ。
希望的願望を心の支えに、または、
現状変更のストレスを忌避する方向に
全身全霊を傾ける。
だからこそ、
報酬ではなく前科を与えられる
闇バイトに加担し続けてしまうのだ。
まともでない状況下にいる
まともな判断力を持たぬ者に、
まともな言葉は響かないのだ。
闇バイトを離脱する決定的な動機を
外部から与えられるとすれば、
それは「闇バイト以上の報酬」
ではないだろうか。
目には目を、だ。
◼️やっぱり「お母さん」
闇バイト加担を阻止すべく、
警察機構はここでこそ、
「田舎のお母さんが泣いているぞ」
と(昔ながらに)情に訴えるべきなのだ。
だが、
さすがに「(田舎の)お母さん」では、
現代人の琴線には触れない。
いくら、ほとんどの男性の本質が
マザコンであっても、だ。
今現在、
闇バイト離脱を効果的に訴える
最適な(お母さん的)存在、
それは、
巨乳で童顔の、
非力で無害(攻撃力ゼロ)な
美少女キャラ
である、と私は考える。
上記条件の女性キャラが表立つと、
現実社会では度々炎上することがあるが、
それは訴求対象に超常識的な人が
含まれているからだ。
(程度の差こそあれ)常識から外れ、
闇バイト(容易にチート級な高収入が可)
というフィクション性を許容できる人には、
見た目と設定(=入り口)が
フィクション過ぎる存在からの口で
情に訴えるのが、非常に有効であろう。
◼️「非力・無害」のチカラ
私は、非力や無害という特性を
disっているわけでは、決してない。
人の心に確実に届くのは、
己が危害や非難を受ける可能性さえない他者
つまり、弱者(非力で無害な者)からの声
なのである。
架空のキャラクターなどではなく、
警察機構として毅然とした声明を出したい、
と考えたのであれば、
せめて女性警察官が発信すべきだった、
と個人的には思う。
警察官 ✕ 男性性 = 強者の2乗となり、
その攻撃力を秘めた(と解釈可な)主張は、
ますます人々に拒絶される傾向が強まる、
と考えられるからだ。
◼️権力側の死角
保護(安全の保証)には
権力が必要不可欠だ。
だが、
保護に至る道の
入り口付近にたたずむ権力者は、
当事者を萎縮させてしまい
目的達成の障害にしかならない。
権力とは、行使せずとも所持するだけで、
その効果が発動する。
だから、
警察機構による
闇バイト撲滅キャンペーン動画を見た時、
半端ない「付け焼き刃感」を感じた。
闇バイト応募の背景や
彼らの犯罪加担心理といった
権力側以外の客観的視点が
ものの見事に抜け落ちていたからだ。
むしろ、その欠如具合に感心した!
いやいやいや、あれが、
警察機構が熟考の末に打ち出した対策
であるハズはない。
国家公務員は、超多忙を極める。
頻発する闇バイトに、
まずは警察機構として
確固たる姿勢を示した
だけに過ぎない。
そう考え直し、
更なる効果的な闇バイト対策を期待する
今日この頃である。