自我を手放したい(=合法的にラリりたい)

◼️麻酔に魅せられる

過去、検査のため、
静脈麻酔を打ったことがある。

1、2、3、位までは数えられたと思う。
だが、5まで数えた記憶がない。


胃カメラの際の、局所麻酔でも気を失った。

超夜型の人間にとって、
朝の早い時間帯に打つ麻酔は、
その種類を問わず、効果は抜群だ。

自宅の体重計が信用できず、
結果的に体重を1kg過剰申告してしまった
せいもあるかもしれない。


どちらの時も、
意識する間もなく、身体から力が抜け、
快適なソファーに座り込むような感覚で、
すべての記憶を一時的に失った。

一言で表現すれば、
この上ない「極上体験」だった。

おそらく、私にとって、
自我を失うことは、快楽に繋がる。
だから、眠ることが何より好きだ)


◼️合法的にラリりたい

違法薬物に手を出す度胸資金もなく、
はたまた、それらを入手するツテもなく、
「何とかして薬物を入手したい」
という情熱行動力は、更になく、
私は、薬物と無縁の人生を歩んでいる。

だが、
あの「極上体験」の記憶を
意識から消すことができない私は、
ある時、ふと思った。

依存症にならず
後遺症も残らず、
かつ、合法的に、
(できれば健康的に)

ラリれる方法はないものか、と。


◼️イデアを想う

ジェネリック薬物があれば…。

存在する。

危険ドラッグだ。
(=違法ドラッグ、脱法ドラッグ)

だが、依存性も後遺症も違法性もあり、
私が真に求めるものでは、ない。


脳内伝達物質の受容機関
(安全に)バグらせればよいのでは?

それらに関連する本に目を通し、
ネットでも情報を漁ってみたが、
超底辺の基礎的な部分しか
私には理解できなかった。

美味しい上に、
栄養豊富で、
健康的な食べ物

など存在しないように、

依存症にならず
後遺症も残らず、
かつ、合法的に、
(できれば健康的に)
我々を幸福に導いてくれる物質など、
おそらく、この世に存在しないのだ。


◼️灯台下暗し

心身に美味しいものとは、
不健康で、反社会的で、
大概、非生産的なものなのだ。

失意の中にいた私は、
近所のドラッグストアで、
あるものを見かける。

購入数に制限がかけられた
風邪薬である。


オーバードーズで使用されている薬は
大っぴらに公表されてはいないが、
「購入数制限」の指定をすることで、
その秘匿性はもはや皆無だ。

むしろ、
「大量に飲むと、飛べる薬はコレ!」
と大々的に宣伝しているに等しい。


依存性も後遺症もあるだろうが、
違法性は、ない。

あぁ、私も、
まともに物を考えたくない時は、
コレを飲んでみよう、
と決意した次第である。


◼️現実を生きる

ただ、その決意の下、
実際にドラッグストアに行くと、
その薬を購入する費用を、
お菓子などの嗜好品に当ててしまい、
薬の購入はまた次回、となる。

薬ではなく、
嗜好品に手を伸ばしてしまう辺り、
私は、まだ大丈夫なのかもしれない。

だが、
「極上体験」を思い出し、
ふと思ってしまう。

依存症にならず
後遺症も残らず、
かつ、合法的に、
(できれば健康的に)
自我を失える(=私を幸せにしてくれる)
お菓子はないものか、と。


もしかして、

それは、



ハッピーターン!

???




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