映画【トップガン マーヴェリック】にツッコミを入れる(ただ感想を言いたい)

私は生まれも育ちも日本の、
生粋の日本人で、

アメリカ合衆国、及び米軍の現状を
よく知らない。

歴史や政治にも疎く、
その辺りの知識も皆無に等しい。

だから、
これ以降に述べるのは
映画『トップガン マーヴェリック』を観た、
純粋な個人的感想である。

私の無知や勘違いなどに対する
手厳しいご指摘は、ご容赦願いたい。


◼️ヘルメット被って!

トム・クルーズが
バイクで疾走するたび思っていた。

バイク+ノーヘル=カ・イ・カ・ン!

なのだろうが、
観ていて無駄にハラハラする。

せめて冒頭の長距離移動の時くらい、
ヘルメットを被って欲しかった。

パイロットという職業柄、
ヘルメットは嫌というほど被っているので、
平時はノーヘルをこよなく愛する
キャラ設定でもあるのか??

コックピットでのGを経験しているため、
バイク疾走時のGや風圧など屁でもない
という理屈は感覚的に理解できる。


◼️結局お前が出るんか~い!

教官として赴き、
次世代に全てを託すハズが、
結局、先陣は自分が切る主人公。

「俺の屍を越えて行け」ではなく、
「俺の屍しか越えさせぬ」タイプだろうか。

世代交代という確実な変化がなければ、
成長も躍進もただの期待止まりだ、
と考える私は、

過去の英雄が、教育者に徹し切れなかった。
(=自分を超える存在を育成できなかった)

という部分に関しては、
個人的に少々残念だった。


◼️敵機収奪ってあるある?

混乱にまみれて、
敵方の機体を拝借。

あのシーンを観て、
ガンダムを思い出したのは
私だけだろうか。

というか、
「ガンダムって盗まれ過ぎじゃね?」
と思っていた節もあるので、

敵機収奪とは
ガンダムの専売特許ではない。

と認識を改めることにした。


敵機を乗りこなす主人公を見ながら、
幾多の機体に搭乗し、戦果を挙げた
アスラン・ザラ(ガンダムSEED)の
偉大さ(器用さ)に畏敬の念を抱く。

スゲーよ、ザラさん…。


◼️結果>命令違反?

何よりも規律を重んじる軍で、
主人公の愛弟子は
帰還命令をガン無視した。

結果的に
金をかければ確実にリカバリーできる
機体2基の損失のみで済んだわけだが、

組織の上層部にとって、
命令違反は重大で、看過できない問題だ。

命令違反を(例外的に
一度でも容認すれば、それは前例となる。

前例という既成事実があれば、
なし崩し的に命令違反は容認され、
規則(権威)の一部が確実に消失する。

権威の消失は、指揮系統の混乱、
ひいては組織の存続危機に直結する。


おそらく、愛弟子はあの後、
命令違反を形式的に問われ、
軍法会議を経たペナルティを受けるだろう。

だが、愛弟子は反省や後悔などしない。
命令違反をしてでも体現できた正義を胸に、
今後も軍に尽くす。

戦局を変えることも可能な
スーパープレイヤーだが、
土壇場での命令拒否も厭わない。

そんな部下を持つ上官とは、
果たしてどんな心境なのだろう。

それを踏まえれば、

命令時にのみ人間の意思が関与し、
実行時には個人意志などの
不確定要素を完全排除可能な
AI兵器を評価する上層部の意向には、
深い共感と理解しか示せない。



◼️彼らは本当に英雄?

私は日本人で、
アメリカの庇護の下に在る国民なので、
思想は無意識にアメリカ寄りである。

アメリカの主張が
間違いなく「正義」とされる
ハリウッド映画に
全く違和感を感じない。

共産圏の方々は、
ハリウッドの描く正義を
実際どう感じているのだろう。

鼻で笑える程度の思想に思えて、
歯牙にもかけないのだろうか。


だが、

アメリカン・ジャスティスに
「全く違和感を感じない」
その自分の感性に、
大いなる違和感を感じる。

そして、

その大いなる違和感を
(主に感情的な面で)
具体的に捉え切れない…、、、

理性の限界に絶望できない感覚は、
「宗教原理主義者と通じるものがある」
と感じられて、何とも虚しくなる。



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