空腹なき世界を、定期的に生きる。
①何も食べたくない
食べたい物が
全く思い浮かばない。
だが、
何かしら食べなくては、
健康を害する。
そう思って、
何かしら胃の中に流し込む。
健康に良いことをしているハズなのに、
精神衛生がすこぶる悪くなる。
②不快である
何も食べたくもないのに、
生命を維持するため、
何かを咀嚼し飲み込む行為が。
しかも、一度の食事で、
何度も何度も、だ。
食材の味以外の〈何か〉を、
いつもを味わっている。
もちろん、
美味しくなど、ない。
③お腹が減らない
空腹を感じる前に
強制的に何かを食べているせいだ。
次の食事までに、
食欲など沸くはずがない。
だが、何かしら口にせねば…。
本気で、気が滅入る。
④そして①に戻る。
(エンドレス)
〈何か食べないと死んじゃうよ?〉
意思に反して
定期的に何かを食べ続ける、
その行為により、
肉体の前に、
精神が死にかけているのだが?
〈運動してお腹を減らせば?〉
身体を動かしても、
効果はない。
胃腸以外の部位を
動かすことに集中する、
という結果になるだけだった。
〈好きな物だけでも食べなよ〉
つい先日まで、
あんなに「食べたい!」と思っていた物に、
全く心が動かない。
「食べたい!」と感じた、
記憶しか残っていない。
なぜそうなってしまうのか、
自分自身も理解できていない。
世間の人は尚更、
理解できないだろう。
空腹なき世界を、
定期的に生きている。
何も食べたくない時期が、
予告なく始まり、
いつの間にか終わる。
(だから今、私は生存している)
食事に関する
トラウマ(の記憶)はない。
だから、
精神的なものではない
(と思う)。
ただ単に、
食事に対する興味が
限りなく薄いだけだ。
何も食べたくない。
その欲求に理由などない。
今の時代、
純粋に栄養素のみを摂取できる、
お手軽で効率的な方法が、
その気になれば、
容易に確立できる技術は、
十分あるだろうに…。
誰も〈その気〉にならないのが、
ただただ、不思議なのである。
食べることが、
ただ、ひたすら、純粋に、
面倒くさい。
生きることを
無意識に放棄する意志が、
定期的にやってくる。
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