夢の中の殿 #毎週ショートショートnote『この中にお殿様はいらっしゃいますか』
よく学生時代の夢を見る。
教室がいつのものなのかはわからないし、クラスメイトも中学高校がごちゃ混ぜになっている。
シチュエーションは授業中。
僕の前の席には殿様が座っている。僕も含め、誰も気にはしていない。
殿様っぽいのではなく、誰が見ても、間違いなく殿様である。言ったらバカ殿なのだ。バカ殿が教室にいるのだ。
しかし、それをクラスの誰も何も気にとめず、教師は授業を進めている。
そんな中、ガラリと教室のドアが開くと家臣が立っていて、教室全体に「この中にお殿様はいらっしゃいますか」と呼び掛けた。
殿様はその声にビクッとしたが、だんまりを決め込みいない振りをしている(できてないけど)。しばらくキョロキョロと見回した後、家臣は何処かへ行ってしまった。
その後はまた何事も無かったかのように授業が進む。授業態度は真面目そのものであり、体育も束帯衣装のまま走り回っていた。
そうしていつも、気づけば朝を迎えている。
僕はいったい何を思えば良いのだろう。