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あの頃は良かった。そう思っても良いじゃない。(音楽の話です)

最近音楽について話す機会がありまして、それもあって今回の記事です。

以前にも書いてますが、ここ数年は世界的にロック不遇の時代です。世に溢れるのはアイドルやダンスボーカルグループ、TikTokなんかでバズることを目的として編曲されたインスタントなポップス。
勿論今も素晴らしい音楽はたくさんあります。とは言え、ロックはほとんど売れない。

私が高校生から二十代を過ごした2000年前後はロックが幸せな時代でした。次から次へと個性的で、カッコ良いバンドが現れた。
でも、やはりロックはポップスに対するカウンターカルチャーでしかないという現実。
結局セールス的に成功したのは、ほんの一握り。要するに、皆さんご存知のバンドだけ。

先日、私は好きなアーティストには漏れなく売れてほしいという主旨の記事を書きましたが、始めから「売れるための曲」を作るアーティストは好きにはなれません。
※ブレイクポイントで大衆よりのアレンジにするのは悪くないと思ってます。

以下に並べるバンドは、それぞれのロックを鳴らしながら、カッコ良い音楽を鳴らしながら、結果として上手く世間に届かなかったバンドたち。
中には今も続けていたり、一度は解散したけど復活したりなバンドもいますが、改めて、一曲でも誰かに届くと良いなと思い、列挙します。

1.Stereo Fabrication of Youth

轟音&超絶技巧のツインギターにポップなメロディと甘い歌声。未だに何故売れなかったんだろう?と思うステファブ。PVのSUNRISEとかめっちゃカッコ良いです。バンド解散後、ボーカルの江口亮さんはいきものがかりの楽曲プロデュースや、LiSAさんの紅蓮華のアレンジ等で才能を発揮しています。

2.ART-SCHOOL

決して上手いとは言えないけれど、ヒリヒリとした刹那を感じさせる、中毒性のある木下理樹さんのボーカルが、アートの最大の武器。冒頭でロックが幸せな時代と言ったが、世の中は不景気にどっぷり浸かり始めた時期で、若者の間には何とも言えない絶望感みたいなものがあった。ロックにはその空気が反映されていた。アートの世界観はそれを象徴していたと言える。

3.pre-school

1990年代のUKロックの代表格Blurの影響を感じさせる、サウンドはロックだが、大衆に寄り添う人懐っこさがプリの楽曲にはあった。
何故こういうバンドが今いないんだろうとか、今ならもう少し売れてたんじゃないかなとか、そう思わせてくれる、愛すべきバンド。

4.LUNKHEAD

サウンド的にはBUMP OF CHICKENの系譜のギターロック。若々しい粗っぽさや性急さが、逆にロックだなぁと思う。映像の「千川通り〜」はイントロのリフが好き。サビのメロディも良い。若いって良いなって、今聴いて改めて感じてしまうな。

5.DOPING PANDA

改めて聴いてみて、めっちゃカッコ良い。なんか時代がドーパンに追いついてなかったんだろうなと、率直に感じる。デジタルを融合させたダンスロック、歌も良いし、このMVもカッコ良い。なんでもっと評価されんかったんだろう?とただただ疑問に感じるな。

6.ABSTRACT MASH

下北沢でのライブで初めて観て、一目惚れしたバンド。曲も勿論良いけど、何よりボーカルが圧巻。売れてほしいなと思ったら、そのボーカルの村松拓さんがNothing's Curved In Stoneに参加し、アブストはすぐ活動を休止してしまった。今聴いても本当にカッコ良い。少し前に活動再開しているらしいが、個人的にはアブストを続けてほしかった。

7.YOGURT-pooh

なんじゃそりゃなバンド名ですが、曲は間違いなく良い。京都出身&メガネなこともあり、ポストくるりなんて言われていた。くるりやWeezer辺りが好きな人には刺さるんじゃないかなぁ。何処か哀愁を感じさせるギターロックだった。

8.Syrup16g

なんかもうギリギリ生きてる人が曲作ってるみたいな、光を感じないんだけど、でも人懐っこいというか…、表現が難しいバンドです。曲は本当にカッコ良いし、声が良い。気持ちが少し落ちてる時に聴くと、どっぷり浸かってしまうかも知れないですね。

9.WRONG SCALE

コード進行がそうなのか、何処かジャズっぽさを感じさせるバンドサウンド。ボーカルの歌声もオシャレなサウンドにピッタリです。当時流行っていたギターロックとは一線を画す、洗練された独自性を持ったバンドでした。

10.椿屋四重奏

当時洋楽の影響をそのまま反映させたバンドも多い中で、既に独自の世界観を作り上げていた。尖った部分もありつつ完成度が高く、何よりボーカルの中田さんの色気が半端ない。解散せずに続けていたら、何処かのタイミングで確実に世に届いていたんじゃないかと、今でも思います。

11.MO'SOME TONEBENDER

モーサムのロックは決して優しくない。みんな俺について来い、でもないし、みんなを包み込もうともしない。ただ爆音を鳴らし、去って行く。だけかと思いきや、エレクトロニカやらディスコパンクやらもやる。そのどれもがカッコ良い、それがモーサム。

12.PENPALS

映像の楽曲はデビュー曲で、アニメ『ベルセルク』の主題歌でもあったから知ってる人もいるのではないでしょうか。3ピースのメロディックパンクバンド、楽曲もわかりやすい良曲揃いで、ライブはいつもめっちゃ楽しかった。

13.毛皮のマリーズ

なんと言ってもボーカルの志磨遼平くんの歌声のインパクトがすごい。クセスゴだ。人によっては違和感に耐えられないかも知れないが、人によっては沼にハマる。楽曲はジャンルレスと言うか、志磨遼平である。解散後に結成したドレスコーズも今やソロプロジェクト。志磨遼平、私は大好きです。

14.音速ライン

疾走感のあるギターロックに和の雰囲気が漂う耳心地の良いメロディ、文学性を感じさせる歌詞。ハイトーンなボーカルも含めてバランスがとても良く、良い曲が多い。ルックスの地味さが無ければ、もっと売れたんじゃないかと思うくらい(失礼)、曲が本当に良い。

…ということでキリが無いので、以上14バンド。まだまだいましたし、ある程度知名度のあるバンド…、エルレとかストレイテナーとかゴイステとかサニーデイ・サービスとか…そういのは抜きました。気が向いたら一曲くらい聴いてみてください。ただ、仮にハマってくれても、ほとんど現存しません(笑)

懐古主義とか言われるかも知れないけどね、やっぱりあの頃は良かったと、思うわけですよ。メジャーシーンも含めて、バラエティ豊かな才能が、無数に現れたあの頃。今を安易に否定したくはないけれど、それでも自信を持って「あの頃は良かった」と言える、それくらいロックが幸せな時代だったんです。以上。

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