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推しごとだ!オ゛エッコラ!!

宗田さんの企画に乗っからせて頂きます!


私の推しごとは『プロレス』です。

プロレスって、とっても特殊なジャンルで、
好きな人はハマってずっと観続けるし、嫌いな人には何故か小馬鹿にされたりする。その温度差が、他のスポーツだったり格闘技だったりより激しい印象がある。そもそも嫌いな人は、この記事の始まりの段階で興味を失っているんじゃないかと思います。

ちなみに私はプロレスファン歴30年以上で、音楽と同じぐらい好きなのですが、普段、noteに限らずプライベートでもプロレスについて話すことってほとんどありません。興味持たれないし、フワッと伝わらないし、なんなら場が変な感じになるから。本当にプロレスってそんな感じなのです。

以下に書いていく内容は、あくまで私の個人的な見解です。プロレスは非常に曖昧で、観る側に多くを委ねられるジャンルなので、人によって受け止め方も違います。その曖昧さを想像で埋めて行くことが、プロレスの深さに繋がっているとも言えると思います。

①プロレスって何なの?
結論から言うと、プロレスはプロレスです。
他のジャンルで近しいものを上げるのも、なかなか難しいのです。

②格闘技との違い
格闘技は所謂“ガチ”です。如何にして相手を仕留めるかが全て。そこに演出は必要無く、純粋に強さを競います。但し、『興行』はエンターテイメントの側面を併せ持つので、観客を喜ばせる為に、試合中に演出を入れる選手も少なくありません。最近だと、那須川天心選手は試合中、相手を挑発するポーズを挟んだりしていますよね。

対してプロレスは、“相手の技を受ける”というのが大前提です。一撃で相手を仕留めるようなことは無く(稀にありますが)、選手各々の持ち技を受け合いながら、試合に流れを作り、最終的に得意技(必殺技、フィニッシャー)で仕留めます。選手の入場時から既にパフォーマンスは始まっていて、試合後のマイクパフォーマンスまでが、一つの試合のパッケージと言えると思います。

③プロレスのルール
※興味無かったら読み飛ばして良い項目。
【決着方法】
・3カウント
選手の両肩がマットについた状態で、レフェリーが3回マットを叩く。
・ギブアップ
絞め技や関節技で相手をタップさせる、もしくは「ギブアップ」と言わせる。
・レフェリーストップ
主に絞め技や関節技で選手が「まいった」の意思表示をしなくても、危険とみなした場合にレフェリーが試合を止める。
・リングアウト
リング外に降りて、レフェリーが20カウントを数える間に戻らないと、その選手の負けになる。両選手が共に戻らない場合、両者リングアウトとなる。
・ノックアウト
リング上で、主に打撃技等でレフェリーが10カウント数える間に立ち上がれないと、ノックアウト負けになる。同様に両者ノックアウトも稀に発生する。
・反則裁定
レフェリーが5カウント数える間に反則をやめないと、反則負けとなる。また、レフェリーの判断で即反則裁定が下される場合もある。

☆ポイント
上記のルールを“レフェリーの匙加減”もしくは“決められた流れに沿って”用いられる。
3カウントのスピードはレフェリーによって違うし、反則カウントの基準も曖昧。って言うか、カウントは全部基準が曖昧(笑)

④八百長・ヤラセ問題
これは昔からプロレスに付いて回っている問題ですが、バッサリ斬りますね。

Q.プロレスは八百長?
A.そもそも試合の勝敗に利害が発生しないのだから、八百長という概念が当てはまりません。筋書きあるのに、八百長する意味、ある?

Q.プロレスってヤラセなの?
A.はい、そうです。ガチじゃないですし、筋書きがあります。だってガチだったら相手の技受ける理由が無いし、何故わざわざ戦いにくい覆面被るの?必殺技って何??って逆に聞きたい。勝敗も決まってると思う。たぶん。

⑤プロレスの魅力
1.個性的な選手たち
コスチュームや使う技、ファイトスタイル等々、本人次第でどんなキャラクターにもなれる。わかりやすい表現をすれば、漫画のような物だと思って良いと思います。

昔はプロレスラー=怪物、みたいな感じでしたが、今は華やかでスタイリッシュになり、体つきもカッコ良いイケメンや、女性らしい華やかさを全面に打ち出している団体もあります。世界的な傾向として、『戦い』から『エンタメ』に舵を切っている印象ですね。無論、戦いを重視した選手も多いですよ。プロレスの根底はやはり戦いでしかないので。

2.多彩な技
とにかく無数に技が存在します。そして、他の格闘技との一番の差ですが、技が綺麗に決まります。前述の通り、相手が受けてくれるからです。例えば柔道だとレベルが上がる程技が決まりにくくなりますが、それが無いということです(逆に綺麗に技が決まった時の高揚感が格闘技や武道はすごいですよね)。

プロレスには『必殺技』という、それこそ特撮ヒーローのような概念が存在します。“この技が決まったら終わり”という。互いの必殺技を巡る駆け引きや、それを逆手に取った意外性なんかもプロレスの見所の一つと言えるでしょう。

毒技とか火炎殺法とかが許されるのも、プロレスならではですね。

3.演出
プロレスは演出の塊だと私は思っています。
前述の通りベースとして筋書きがあり、それをリング上の選手、レフェリー、時には実況や観客まで一体となって一つの大会を作り上げます。一流になると「入場だけで金が取れる」と言われています。 

私は故・ジャイアント馬場さんの入場が好きでした。馬場さんの入場になると会場の照明が落ち、暗転する。入場口に全てのスポットライトが集中し、入場曲『王者の魂』が流れる。そして馬場さんがゆったりと姿を現す。身長209㎝の馬場さんは、他のトップレスラーや外人選手よりも圧倒的に大きくて、遠くの席から見てもその差は歴然。社長であり象徴だから特別扱いなんだけど、納得の特別扱いだった。そこにいるだけで、オーラがすごくて、他の選手と全然違った。

アントニオ猪木さんの『イチ、ニ、サン、ダァーッ!』のような大会を締めるパフォーマンスは一般的にも有名ですよね。闘魂ビンタで喜ぶとか、この国はどマゾの集まりかって思うけど(笑)そのビンタには、それだけの価値があるってことなんだ。

4.ドラマ
プロレスには筋書きがあると前述しました。
だけど一つ言えることは、筋書きがあることは知っていても、筋書きの中身も結末も、観る側は知りません。そして試合が終わった後ですら、筋書きがあったとは思えないことの方が圧倒的に多いです。

プロレスは1話完結(1試合)のドラマがあり、1クール(1シリーズ)のドラマがあり、大河ドラマ(デビューから引退まで)があります。ヤラセで片付けるのは余りに乱暴なほど、無数のドラマがあるのです。

中学を卒業した岡田少年は、当時新興団体だった『闘龍門』の練習生になった。背は高いけどガリガリで、厳しい練習には全くついていけない。だけど、他の練習生が逃げ出す中でも夢を諦めず、根性で耐え抜き、メキシコでプロレスラーとしてデビューした。それから何年が経ったか、少年はレインメーカー・オカダ・カズチカとなり、日本最大のプロレス団体新日本プロレスの絶対的なトップレスラーとなった。有名声優を妻に迎え、フェラーリを乗り回している。…このドラマのどこに筋書きがあるだろうか。

私がプロレスにハマるきっかけになった三沢光晴選手は、試合中の事故で亡くなりました。そこにはリアルしかない。プロレスラーは常に命懸けで、ファンにエンターテイメントを提供してくれています。ファンを喜ばせる為に体を張って戦ってくれています。演出的な側面だけを切り取って小馬鹿にする人って、想像力の無い、簡単に人のことを悪く言える類の人なんじゃないかって、私は思っています。

5.受けの美学
前述の通り、プロレスは相手の技を受けることで成立しています。対戦相手の信頼度によって使う技が変わり、トップ選手が新人に必殺技を出すことはあまりありません。逆に言うと、必殺技を使われるようになった若手は、成長を認められたと言えるわけです。

格闘技でも無くは無いですが、受け身の綺麗さや負けっぷりの良さで評価される選手も多くいます。勝敗以外の部分、相手を引き立たせる能力が評価されるのです。長くプロレスを観ているファンは、そういった選手を好みます。野球同様、みんなが同じ役割では無く、それぞれの個性や役割が上手くハマると、一つの大会としてとても高い満足度が得られるのです。

最後に。
日本のプロレス団体は、プロレスに筋書きがあることを未だに名言していません。それが揶揄される原因の一つとも言えます。

一方で、世界最大のプロレス団体である、アメリカのWWEは台本のあるエンターテイメントであることを名言しています。WWEのEはエンターテイメントであり、選手のことをレスラーと言わず、スーパースターズと呼びます。要するに、演者という意味です。
体のサイズが大きい分迫力はありますが、日本のプロレスが持つスリリングな激しさはありません。

日本のレスラーはWWEに憧れ、世界のレスラーが日本のプロレスをリスペクトする。他の文化と同様に、プロレスにも日本らしさが出ていて、だからこそ、筋書きの存在を名言しない。と言うか、する必要がないんです。ファンはそんなこと承知で、この試合、このシリーズはどう展開するのかとか、たくさんの曖昧な部分を想像しながら楽しんでいるのだから。

今回はプロレスという奥深い沼の、上っ面だけをさらって記事にしました。語り始めたらずっと語り続けられるくらいの奥深さ。

でもたぶん、今後はまたほとんど触れないですけどね。語れば語るほど、温度差が激しくなるのも重々知っているから(笑)

最後に、繰り返しますが、これは私の解釈です。プロレスファンがみんな同じように捉えているとは言えません。

以上!!

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