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就職の憂鬱、夕食の豚カツ。 a life goes on, beautifully
なんかこう、自宅待機で家にいる毎日ね。なんかねえ、体力が落ちてきたような、気力も落ちてきて、はあぁ、何時まで続くかこの暮らし、わが財布。
よし、今日は張り込んで豚カツや、ポークカトレットや、チキンフライドポークや。スクラッチから作ったる。普段の緊縮財政うちの財務金融CEO全てを掌握なさってるわがお方、ええやんのありがたきひと言。ならば行くぞ、オールユーキャンイートや食べ放題や。
野菜もお腹いっぱい食べよう。とんかつ残ったらカツ丼にする。後顧の憂い無しや。最近キャベツ、人参安い。ありがとうキャベツ、ありがとう人参。
自分のレストランやってたとき、無農薬農法の人参いっぱい収穫してお客さんに出したら、おれ、兎ちゃうけどなあ、ゆうとったな。アメリカで男子をうさちゃんに例えると、、、子孫繁栄のめでたき栄誉ですけどなあ。
何時ものように芯まで愛するブロッコリー。じゃがいもはキタアカリです。ほこほこのお芋さんです。
お湯が沸いたら塩してじゃがいもは中火で煮ます。ダンシングさせないこと、澱粉が溶け出してくるから。
しかし、しっかりと火は入れる。ブロッコリーも茹でましょう。エネルギーは大事に使わねば、グレタさんに会わす顔もない。
テンダーアンドファームに仕上げるブロッコリー、今日は茹でたままに冷やす。
では、豚肉の衣付けです。お召し物をお支度するのです。肉に下味、割としっかり付ける、わがシェフ、パスカルはおまえが口に入れる料理のどのひと口も、どのひと噛みもテイスティーでなければならない、よく言っていた。このテイスティーというのは美味しいというのとニュアンスが微妙に異なり自分でそのテイスティ・テイストフルを掴まなければならない。美味しいという言葉が実態とならなければならない、言ってました。
おお、肉、ミートや、カルネや、ラ・ヴィヤンドや、ありがとう。メルシィボークーです。
お箸を使える喜び、その矜持。
まあ、フォークも悪くない。
エリンギ、麗しのエリンギ、バター焼き。ほんとは君は主役のキャストでいける、次は君で行くからね。
きのこ類は高温で焼くと香りとコクが引き立ちます。
熱量もったいないので、ピーマン相席でお願いする。ピーマンも高温がお好きです。
ちょっとけむりが微かに上がる。
お待たせしました、人参です、キャロットです。
キャロットは高温で加熱すると甘みは増しますが、糖分が焦げやすく働くので気をつけて。今日は、ゲランドの塩、オリーブ油そしてごく僅かのガラムマサラ入れよう。クミンとかキャラウェイも相性バッチリです。
出来た野菜は大皿へ、オールユーキャンイート。
とんかつといえば、キャベツの千切りたっぷり盛りたい。細く薄く見事に切るのは、得意じゃないけど。日本料理時代には包丁さばきの会得や精進に必死やった。それは卒業した。
では、準備は出来たぞ、カツを揚げるのだ、カトレットのように焼き上げるのだ。
揚鍋でたっぷりの油で揚げるのは素晴らしく美味しいとんかつの条件ではあるけれど、いまは、休業中なのだ、給料日のときめきはお預けなのだ、みんなで乗り切らねばならんのだ。油少量を受け入れるんである。
腕の見せ所や。最初は高温寄りですぐに弱めてステディな小さな火を全体に満遍なく。
ひっくり返すとき衣を傷つけないように。フライパンを動かして均等に火が入るように。いい香りがしてきたらもう一回ひっくり返して満遍なく火が通るように。あとで少々休ませるのでその時ちゃんと火は入ります。
お米洗ったらざるに空けて水切り、洗いごめにしておく、浸水しておくよりさらっとしたご飯になるような気がします。
押し麦好きなので。これは浸水しておく。
同割りのお水で炊き上げます。はじめちょろちょろなかぱっぱ、で二十分です。
今はご飯、お米はコシヒカリばっかりですが、ぼくが料理屋とか家で食べるご馳走はササニシキやった。さらっとしておかずがよけいに美味しくなった。いまや、ササニシキ売ってるとこない。
よし、出来たぞ、お腹いっぱい食べよう。ライフゴーズオンや、ケ・セラセラや、先行きはなんとかするぞ、大丈夫。マニヤーナや、ノテプレオクペスや。今は食べよう、ゆっくり味わおう、いただきます。