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森てく
2020年6月6日 07:12
忍者は、平日の遊園地のたいして人のいない広場の真ん中に、腕を組んで立っていた。「ちょっとお待ちなさい」 と、なるべく見ないように通り過ぎようとした私に向かって、忍者はそう言った。 もちろん私は聞こえないふりをして、先を急いだ。「動くな、影を縫うぞ」 その声で、私は少し早足になった。でも二歩も歩かないうちに、大声が私の足を止める。「すいませーん!一昨日から何も食べていないの