見出し画像

確かめてみたくなる

こんにちは。みかんといいます。今は4年生で、ここで役者をやるのは2年ぶりになります。
今回は新入生公演ということで、1年生がたくさん参加してくれています。みんなすごく頑張っていて、真っ直ぐで、日々後輩から学ぶことは本当に多いです。自分が1年生のときに先輩がかけてくれた言葉を今度は私が言っていたり、こういうことだったのか、と3年越しに納得することもあって、なつかしい瞬間がたくさんある。学生団体ならではですね。
私も1年生のみんなと一緒に、初心にかえって頑張りたい。ワクワクしています。

さて、もうここにいるのもあと少しなので、好きなものと演劇について、少しだけ真面目に話そうと思います。

私は本が好きです。母が司書をしているからか本はすごく身近なものでした。本ならなんでも読むけど、人と人の心の交わりについて語られるものが多いかもしれません。最近読んだなかで衝撃だったのは「光のとこにいてね」( 一穂ミチ,文藝春秋)。

最近の人生のテーマにバチバチに合ったものだったので、この本がこのラストのまま存在していること自体がかなり希望でした。

読書が趣味と言うと、今まで読んだ中で1番好きなのは?ってだいたい聞かれます。1番、って聞かれがち。1番好きな食べ物/動物/色…そんなの知らない…けど、実は本だけは答えられる。それが「すべて真夜中の恋人たち」(川上未映子,講談社)です。

多分、面白い本は、とか勧めたいのは、衝撃だったのは、とかだと全く違う本になるんだけど、“好き”なのは初めて読んだ高校生のときからずっとこれ。好きな文章を今この場で言って、とカマされた就職面接で、私はこの本の冒頭を諳んじて拾われました。そのくらい繰り返し読んでいる本。心が苦しい日もこの本だけは読むことが出来る。これは支えであり、私の哲学です。

ところで一体、本が好きってどういうことなんだろう?って考えてみたことがあって。恐らく私が好きなのは、読むことというより、本という概念そのものなんだと思います。世の中に本が溢れている、ということは、人が人に伝えたいことがこんなにも存在しているということで、私はそれをすごく美しいことだと思う。

それは演劇も同じで、生身の身体を使って誰かに言ってやらなきゃ割に合わない、気が済まないことがあるから舞台芸術が存在している。言いたいことって別に難しいことじゃなくても、誰か笑ってくんねえかなとかそんなのでも。
私も言いたいことがたくさんある。舞台の上からじゃなきゃ言えないこと。


演劇が本と違うところは、1人では出来ないこと。(1人芝居があるとしても)私は人と関わることがずっと上手ではないので、演劇というひとつのものを介してたくさんの人と仲良くなれることが嬉しいです。
これがなかったら、人と深く関わってみたり、誰かを大事に思ってみたりしなかったかもしれない。

すごくメジャーなわけでもないものを好きな人たちが実はこんなにいて、集まってひとつの作品をつくっていく。それってめちゃくちゃすごいことじゃないですか。毎回割と感動しています。

そして、ここがこのブログのサビなんですが、私は舞台の上にいると世界がきらめいて見えます。苦しい気持ちとか悩んでることは、本当は全部些細なことで、世界ってもっと優しいものだったんじゃないかって思える。
別に降りたらそんなことないんだけど!

みんなはどんなことを考えて演劇してるのかな。
1年生のみんなが、またやってもいいけどね!と思ってくれることを切に祈ります。

==================================
中央大学第二演劇研究会
 2024年度秋公演『宙浮くカルト』

👼🏻脚本・演出:吉田トモ弘

🪽日時:
11/14(木) 18:00~
11/15(金) 18:00~
11/16(土) 13:00~/18:00~
11/17(日) 12:00~/ 16:00~

🛸会場:シアターバビロンの流れのほとりにて
東京都北区豊島7-26-19
(東京メトロ南北線「王子神谷駅」から徒歩12分)

ご予約はこちら⇩⇩⇩

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集