人生で初めてマラソンを走った話
12月8日に宮崎で青島太平洋マラソン(以下青太)というもので人生初マラソンを走ってきたので、今回はその感想文のようなものを書こうと思う。いろいろバタバタしたりそんな余裕なかったりで写真が全然ないけど、まあこの溢れ出る文章力でなんとかします(既に垣間見える文章力のなさ)。
まずは事前に立てた目標を確認しておきましょう。
目標その1 完走しよう
目標その2 歩かずに走り切ろう(給水除く)
目標その3 4.5時間切り(事前申告タイム)
目標その4 4時間切り(5,10kmの記録から予測された予想タイム)
初マラソンとは思えない舐めた挑戦的な目標もありますが、風野千佳は果たして目標達成できたのか? それでは本編です、どうぞ。
前日に泊まるお金がなかったので、朝5時半の始発で都城に。そこから乗り換えて南宮崎駅、さらに乗り換えスタート地点最寄りの木花駅へ。電車の中で7時くらいにバナナを食べ、8時過ぎにエネルギーゼリー(?)をチューチューしながら移動して、ひなたサンマリンスタジアムに着いたときには8時20分くらいになっていた(スタート時刻は9時、整列完了8時50分)。
それから荷物整理して、事前に予約していた荷物預け所に大きい荷物預けて、小さな荷物はスタジアム内の置けるとこに置いて、トイレ行って(着替えは最初から済ませていた)、スタート地点に並ぶときにはもう駆け込みだった。
まあめちゃくちゃバタバタだった。初心者がやることではなかった。おかげでウォーミングアップなんてまともにやれずにスタートしたからね……あんたバカァ?
それでもまあ事前に最低限「着いてからスタートまで」をイメージできていた分バタバタはすれどもたつくことなく整列できて、無事にスタートできた。よかったね。
スタートしてからのことを書く前に、ここで公式サイトから持ってきたコース地図を貼っておく。後でちょっと固有名詞が出てくるので、知らなかったら戻ってきてこれ見て「この辺か」って使う用。今は「海沿いで全体的に平坦だな」ってことだけ覚えてくれればおk。
そうだ、ついでだからここで装備品の紹介もしておく。アイプラライブTシャツ(やる気アップ)、ごく普通の運動できる半ズボン(なんて呼ぶんだあれ)、ランニンググローブ(あったかい)、スマホ入れるアームバンド(左二の腕につける)、スマホ、以上!
「なんかエネルギーゼリーとか持たなくていいの?」って思われそうだけど、少なくとも青太は給水所での給食(バナナとか)がちゃんとあるので特に困らなかった。や、足痛すぎて気づかなかっただけでエネルギー不足だったかもしれんけど……
さて話を戻してスタート直後。何かしら市民マラソンのスタートを見たことがある人はわかると思うけど、すごい渋滞する。渋滞すると何が普段と違うかというと、①そもそもスタート地点までに時間かかる②最初は自分のペースで走れないの2点がある。今回の私で言えばスタートのピストルが鳴ってからスタートラインを越えるまでに6.5分かかった。しかもその分「取り返したい」って気持ちがやっぱどうしても出るんでね、余計にペースが乱れる。
実は後から確認したら最初の5kmは想定通りだったんであれくらいなら別によかったんじゃね? と思っているが。そもそも想定が甘かった可能性? …………さあ次の話をしようか。
そんなこんなでスタートラインをやっとこさ越えて、スタジアムの外周を回ってから国道220号線に入る。さっきも言った渋滞の中を、人の間を縫いながら抜いて行く。後から考えたら抜くのはともかくちょっと無茶な抜き方したかなってタイミングあったし、集団の中で走ることにとにかく慣れてないから(いつも1人で走ってるから)、たぶん誰かしらに迷惑かけたと思う。ほんとごめん。
でもたくさんの人の中を走っていくのはすごい気持ちいい。普段散歩中の犬と散歩中の人間(まばら)しかいないとこ走ってるからね。とにかく新鮮。片耳イヤホンで音楽も流してたんだけど、「Let's go!Let's go!ピース!ピース!」って曲が自分のペースと合うのかめちゃくちゃ気持ちよかった。普段の練習から思ってたけど、ランニングとサニーピースの曲調は相性が良い。みんなもアイプラをすこれ。
ここで書いておきたいのが沿道の学生ボランティアの方々のこと。たぶん嫌々参加させられた人もいるだろうに(捻くれ思考回路)、みんなずっと明るく声援を投げかけてくれるし、走りながら左手差し出したら「うぇーい」とか「いぇーい」とか言いながらハイタッチしてくれるし、給水所でも渡す時に「ファイト!」って言いながら渡してくれる。私は中高と運動部に入ってなかったからこうやってすごい応援される機会なんてなかったし、本当に気持ちよかった。この一点で初マラソン青太オススメだよって言える。キツくなっても声援の力で5kmくらい走れるよ。
あとちょっと話ズレるけど、40km過ぎくらいで女子生徒達が段差気をつけてって声掛けしててくれたのにがっつり段差引っかかって転びかけてごめん、あの時は普通に死ぬかと思った、うん。
で、さっきの地図を見てもらうとわかるんだけども、5kmを過ぎてから給水所があります(地図の水入ったコップのマークの場所)。ここでなんと風野さん、最初の給水所をスキップ! これは人の多さに怖気ついたとか取り方わかんなかったとかじゃなくて、スタート前から予定していました。というのも、数km先に次の給水所があって(地図参照)、ここは水しか置いてないんだけど人が少なくて非常に取りやすいんですよね……っていうのを他人のブログで知っていたからです。これは本当にファインプレーだった、最初の給水所は大渋滞だったし、次の給水所はめちゃくちゃ空いてたもん。10km程度ならまだアクエリ入れるほどキツくないしね。もし青太走る予定でこれ読んでる人がいたら、ぜひ「最初の給水所はスキップでもおk!」って覚えておいてほしい。
初マラソンだしハーフとかも経験ないんで、給水取るのも当然初めて。なんかランニンググローブは外した方が良いってどっかで聞いたから左手は外したんだけど、持ち替えようとして右手に水かかった。うん、次からは両手とも外すわ……ちなみに水やアクエリは紙コップに入ってるんだけど、縁を持って潰すと飲みやすいって聞いて実践してみた(写真のような持ち方)。ふむ、確かに飲みやすい。でも並々と注がれると潰す時に溢れる……
さて、戸惑いはあれどここまで完璧に予定通りレースを進めている風野さんは、スイスイと走りながら段々とペースを上げていきます。後ほど復路でもここ通るけど、この時は宮崎空港に停まってる飛行機とか見る余裕あったな。宮崎ICの辺りとかちょっと上りだったりするんだけど、私はなんか上りの方が得意なので(なんでだろ、前傾で走りやすいから?)特に苦にならなかった。
そしてこのマラソン最大のやらかしをした10〜15kmの区間。宮崎ICを過ぎてから大淀川を渡るくらいまでのところ(地図参照)。何をやらかしたかというと、シンプルにペースを上げ過ぎた。写真はスマホで記録してたラップタイムだけども(スタートライン越える前から記録しているため、記載されてる距離と実際の距離は一致しない)、これ見たらもうアホかと。私の10kmベストタイムは1km4分45秒なんだけども、それに近いようなペースで走ってる。せいぜいハーフのペースだよこれ。ねえ?
まあ言い訳するなら……気持ちよくなっちゃったよね。応援されて舞い上がったとも言う。あんたバカァ?
それでも大淀川を越えてからは(そもそも見通しが甘かった可能性はあれど)予定していたペースに戻っていった……んだけど、これはなぜペースが落ちたかというと、左脚に痛みを覚え始めたから。軽い筋肉痛みたいなイメージの痛みでまだ走りに影響が出るほどではなかったけど、多少ペース落とすことでより長く脚を保たせることができるから、意図的にペースを落とした。正直心の中で焦りはあったけど、ここで無理するもんじゃないなと思って我慢した。
そして15km地点の給水所、私は2度目のやらかしをしてしまう。給水所ってことで概ね想像つくと思うんですけど、給食取り損ねました。水は取ったんだっけ、水も取り損ねたかも。あんま記憶ないんだ。ここの給食はバナナとチョコレートが用意してあって、事前の予習でどっちか取りたいとは思ってたんですよね。でもなんか……人が多かったわけでもないんですが取り損ねました。ぼんやり走ってたというか、走るの気持ち良過ぎて何も考えてなかったというか、無意味にゾーンに入っていたというか。ほんとに記憶がない。もしかしたら「案外マラソンちょろいわ」みたいな油断もあったのかも。あんたバカァ?
初心者あるあるっぽいやらかしをしっかり網羅した私だが、「やべえなーこれどこまで保つかなー」と思いながら宮崎神宮で折り返し。この後大淀川渡るくらいまでは特に書くことが無い。やうやうしんどくなりゆく脚……みたいな。意図的に力抜いたりとか色々やるんだけど、まあ走り続ける以上根本的な解決にはならない。先送りになってたとは思うけど……ただ先駆者兄貴がブログで書いてたみたいに足が攣りそうでーみたいな感覚はなかったのは幸いだった。
そして大淀川を渡ってさあ後半分……くらいからが地獄の入り口だった。まずずっと片耳イヤホンで音楽流してたんだけど、Bluetoothイヤホンだったから充電が切れた。音楽の助けもなくなり、1分ごとにこれまでの積算ペースを音声で教えてもらいながら走ってたのでそれもなくなった。しかも左脚だけだった痛みは今や下半身全体に広がり、足の裏も着地するたびに痛いし、脚を上げても下ろしても痛い。地図見て欲しいんですけど、25km周辺って給水もなければ市街地は出てるから応援もあんまりいないんですよね。だから心を燃やすものも無くて本当にキツかった。
前述の通り行きは空港の飛行機眺める余裕あったけど、帰りはそもそも空港通り過ぎたことすら気づいてなかった。給水所見えた時はちょっとここでやめようかと思うくらいキツかった。いや始発で宮崎来てリタイアとかアホかと思ったからやめなかったけど……この辺から歩いてる人がどんどん増えてきてた。私は歩かなかったけどな!(ドヤ顔)
えっちらおっちら足を必死に動かして、給水所でバナナ食べたり塩あめ噛み砕いたりしながらヨタヨタとサンマリンスタジアムまで戻ってきた。ここが34kmとかだったかなあ……ほんとに泣きそうだった。「戻ってきたんだ……!」っていう感慨と「まだあと10kmくらいある……」という絶望の二つで。もうめっちゃ抜かれまくるし、心も体もボロボロだった。
その後サンマリンスタジアムから離れてトロピカルロードっていうとこを走る(地図参照)んだけど、これがね、何がトロピカルやねんって感じだった。まず海沿いに出るまでに結構上る。これもう脚にとどめ刺しに来てる。そこから海沿いを走るんだけども、まあ遠い。青島が見えるんだけど、見えてるのに一向に近づいてこない。この頃はペースが1km7分半とかだったからさもありなんって感じだけども、メンタル的にキツい。応援はいるんだけど、もう応援じゃ誤魔化せないくらい脚が死んでいる。そしてさらにキツいのが復路。向かい風がもろに当たる! 海沿いで景色が良いってことは、裏返すと遮るものが何も無いんですね。もうほんと自分がちゃんと進んでるのかもわからなかった。当然売りにしてる景色なんか欠片も記憶に残っていない。
ちなみに、最後二つの給水所はスルーした。なぜかと言うと、もう「せめて完走しないと情けない」とか「ここまで来てリタイアとかもったいない」みたいなマイナスの気持ちだけで走っていて、給水でも一度止まってしまったらもう二度と動けなさそうだったから。運動公園抜けるあたりに給水があって、そこで確実に取るために少し止まったんですけど、そこから走り出す時にもう上半身は動き出してるのに下半身がついてこなくてバランスを崩しかけて……これはもう次は無いなと思った。
惰性だけでなんとか運動公園まで戻ってきて、途中で「4時間半切れるぞ!」って声援聞いて嘘やろって思ったり、最初の方に書いた通り段差で転けかけて死ぬかと思ったりしながら、最後にスタジアムの外周をぐるっと回ってゴール。
もうちょっと道中の感想ないのかよって思われるかもだけど、もはや記憶がないんだから仕方ない。ゴールの上に時計が設置されてて現在時刻が表示されてる(タイムはそこから9時間引けば良い)んだけど、4時間29分30秒くらいで「おお」ってなった。「おお」にはいろんな思いがこもっててちょっと言語化できないから、ぜひこれ読んでくれてる皆さんもマラソン走ってこの「おお」を体感して欲しい。
一応帰りのことも書いておこう。といっても、生まれたての子鹿のように震えながら完走賞のタオルと水とマンゴーメロンパン(次の日食べた、美味かった)を受け取り、預けてた荷物を取り、更衣所で着替え、エネルギーゼリーをチューチューした後、事前に予約した弁当を受け取り、その辺で地べたに座って食べて、臨時電車で宮崎駅まで行って特急電車で帰った。それだけ。本当は銭湯とか行きたかったけど、そんな元気も時間もなかった。悲しい。切符事前に買ってたから、宮崎で一円も使わずに帰ってきた。ごめん。
それで、ここで一つ書き残しておきたいのは、レース後のエネルギーゼリーは神ってこと。マラソン走った後って初心者じゃなくてもエネルギー不足に陥ると思いますし、これ絶対用意しておいた方がいいです。フラフラしてて少し視界も霞んできてたのが一気に回復したもんね……これ心の持ちようか? でもチューチューして少ししたらほんと生き返った気分だった。
ちなみに、どうでも良いけどその日の夜は湿布7枚貼って寝た。これ書いてるのが3日後の夜だけど、まだ筋肉痛残ってる。でも怪我とかはなかった、よかった。
それで完走した感想なんですが(激うまギャグ)、まあキツかったよね。マラソンって長距離走ってイメージから心肺能力が大事かと思ってたけど、少なくとも初心者にとっては足腰の方がすごい大事。1つ目のやらかしとしてペース上げすぎたって書いたけど、正直ペース云々以前に長い距離を走る足腰ができてなかった感ある。長距離練習しなきゃなんだろうけど、時間もなけりゃ給水とかどうすればいいのかわからないし……
次走るならサポーターとかつけた方がいいのか? 靴下もショッピングモールで三足いくらみたいなやつで走ったら親指のとこ穴空いたしな……あんたバカァ?
目標は全部は達成できなかったけれど、まだ更新の余地があると前向きに捉えていきたい。何より最後まで止まらずに走り切ったこと、これを自分の心の強さと思って誇りに思いたいところ。
あ、そういえば足攣らなかったな……足攣る原因を調べてみたら水分不足とか書いてあったんで、給水に関しては上手くできたのかなと思う。攣らない程度かつトイレ行きたくならない程度に給水調節できたってことなので。
あとはあれですね、ストップウォッチが欲しい。腕に巻いてポチポチして1kmごとのラップタイム記録したい。それだけで一つ目のやらかしは回避できるからね。これ読んだ人、買ってくれたりとか……しないですねはい。長距離練習時の給水と合わせて、おすすめとかあったら教えてください。
そんなんで色々書いてきてたぶん書き残したこととかあるんだろうけど、思いつかないからこれで終わりにします。何か質問等あったらコメントでもTwitterアカウントにメンション飛ばしてもいいし、お待ちしてます。
次は鹿児島マラソンにエントリーしてあるんでそれかな。今度こそ今回の反省活かして4時間切りしたい! 頑張ります!