No.7 Scoobie Do『ミラクルズ』
先日、20周年でベスト盤を出したScoobie Doにインタビューをする機会があって。ボーカルのコヤマ さんが40歳を迎える感慨について「今までは地続きできたなって感じがしてたんだけど、昨年の千本目のライブを終えてこっち側に来たな!って感じがしていて。今までは向こう側。もう引き返せないんだけど、俺はずっとこっち側に来たかったんだと。漠然としてますけど(笑)」と語っていて、ああ、そういう感覚ってバンドマンもあるんだ、と思いまして。
例えば、結婚や転職は何歳までにしないと〜とか、多くの人は人生のデッドゾーンに何度かぶち当たるわけで。そのデッドゾーンを越えるたびに、引き返せなくなって、選択肢が減っていく。アイドルなんかはわかりやすくて、大学卒業のタイミングで、アイドルか、就職かを選ばなきゃいけない。アイドルを選べば、新卒には戻れない。そんなデッドゾーンを繰り返す中で、選択をしながら、最後のデッドゾーンを超えたときに、おそらく、先のコヤマさんの感覚になるのかなと。最後のデッドゾーンを超えた後に見る景色が人生の一つ答えだとすれば、自分の望んだ”こっち側”に行けたらいいなぁと思うばかりです。(コヤマさんの言う”こっち側”に行った先駆者はフラカンや怒髪天なのかなー)
ちなみにリーダー・マツキさんは 「以前に比べてライブもレコーディングもワクワク度はあがってる。年齢を重ねたことで、経験で滲み出てくる味わい方が時間によって熟成されてきたのかな?と。」と、また違った感慨を語ってらして。コヤマさんがレースゲームなら、マツキさんはシムシティ的な感覚なのかなと思った次第です。
「AL『ミラクルズ』はソウルが好きなScoobie Doということで、一回戻りつつも、それまでにないくらい振り切ろう!と作ったアルバム」とコヤマさんが話していたんですが、人生は、振り返ったり、振り切ったり、右往左往しながら、迫ってくるデッドゾーンを一つずつ超えて行くしかないんだろうな。