夫にときめいた話

結婚して数年の夫婦、すっかり家族になったけれど、いまだにときめくことがある。ごくたまに、思いがけないことで。

ギャツビーの汗拭きシート ピーチ

夫がドラッグストアにいくと言うので、「ギャツビーの汗拭きシート ピーチ」を買ってきてと頼んだ。もちろんメモを渡した。

汗っかきの私は、がつんと涼しくなるギャツビーの汗拭きシートを使う。その中でも男性っぽすぎないピーチの香りがお気に入り。

でも夫に頼む以上「ギャツビーの汗拭きシート ピーチ」が届くことは期待はしない。理由は3つ。

  1. 夫は日用品にこだわりがない。

  2. ギャツビーシリーズはドラッグストア入口付近の「主に女性向け汗拭きシートコーナー」にはなく、男性向け化粧品コーナーにある。

  3. 3歳児を連れての買い物で指定のものを見つけるのはとても難しい。

そんなわけで、私が想定していたのは

  1. ギャツビーシリーズのありかが分からず、「汗拭きシートコーナー」にあるピーチの香りのものを選んで買ってくる。(ここには「パッケージがピンクでピーチと思ったらフローラルだった」という可能性も含む。)

  2. ギャツビーシリーズのありかを見つけるも、ピーチを選ぶ余裕がなく他の香りのものを買ってくる。(赤いパッケージの無香料なら御の字。)

  3. ギャツビーシリーズのありかが分からないため買わない。

答え合わせ

夫が買ってきたのは「プライベートブランドの汗拭きシートせっけんの香り」。
やはりギャツビーシリーズを見つけられなかった模様。そして妻の好きな香りがピーチであるらしいことにも思い至らず、汗拭きシートコーナーで何気なくカゴに入れたとのこと。

直感的にピーチではないと分かる水色のパッケージを見て、怒るでも呆れるでもなく、不覚にもときめいてしまった。

メモを渡して頼んだにも関わらず、「ギャツビー」も「ピーチ」も合っていない汗拭きシートが届いた事実が面白すぎたのだ。

違うから面白い


好きそうな食べ物とか、やってもらいたいこととか、忘れそうなこととか、夫のことはだいたい分かる。
そんな私が予想を外した。

結婚相手として「価値観が合う人がいい」なんて言うけれど、自分みたいな人と結婚していたらこんな経験をすることはないのだ。
夫が私と全然違うから、生活は面白い。

「何にも合ってないのが面白すぎてときめいた」と夫に言ったら、「あなただいぶ変だよ!」と言われた。

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