駅で叫びたくなったら
あの人と私との間には
大きな崖があるのだと思っていた
だがしかし、地続きの先に
テストの答案用紙につけられたペケのように
雑に線がひかれているくらいだろうか
超えるときにハードルも何もなく
思い切って超えようとする必要もなく
何気なく乗り越えてしまえる
そんな線があの人と私を分別している
というかその線を引いたのも自分自身で、
線を超えてはいけないという自戒を解いた時
この線ってなんだっけ?
大事だったんだっけ?となるのかも?
あの人だって愛に囲まれていれば
毎日帰ればハグをして話を聞いてくれるような
忘れた傘を持って走ってきてくれるような
そんな誰かがいれば
ああはなっていない、のだろうか
自分で引いた線のこちら側にいる
(と思っている)私にはまだ
簡素な考察をすることしかできない
私はあの人を救えないし救う気もない
そんなことをしている暇はない
今肩をならべて歩いてる友人が
友人が引いた線の向こう側に
行ってしまわないように
向き合うことで精一杯だ
そんなことはあまりに無力で
そのようなごたごたに
気づけないまま肩を並べているかもしれない
なんてったって私たちは友人で
それ以上でも以下でもないからである
そしてそれはいたって
健康的な友人関係なのである
わたしはそれがすこし寂しいと思う
呼んでください!
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