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📘肝機能障害,腎機能障害・透析 | 麻酔科専門医試験対策 青本online

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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.


🔑 KeyWords


肝機能障害 肝硬変 腎機能障害 血液透析 透析患者 慢性腎臓病 Child-Pugh分類 MELDスコア 急性腎不全(AKI) KDIGO分類



🔷 肝機能障害・肝不全患者


🔹 肝障害の基礎知識


Q. 【🌟🌟☆】 肝機能の評価について説明して下さい. 


  • 背景疾患の把握(ウイルス性,アルコール性など)を行います.ウイルス性肝炎では針刺し事故含め院内感染に注意が必要です.

  • 予後評価にはChild-Pugh分類やMELDスコアが用いられます.

  • 肝硬変進行例では貧血,凝固障害,肝性脳症の評価が必要です.肝肺症候群や肝腎症候群の可能性も考慮します.

  • 肝硬変がある場合は食道静脈瘤,胃静脈瘤の評価が必要なため,内視鏡検査を行います.

  • その他,肝機能検査として,ICG試験やHPTなども行います.ICG試験は肝臓の排泄能を評価する検査で,15分値 retention rate が10%以下であれば正常です.HPTは凝固因子産生能を評価する検査です.

  • 腹水,黄疸,低アルブミン血症,門脈圧亢進症などの徴候にも注意し,全身状態を総合的に評価することが重要です.




Q. 【🌟🌟☆】 Child-Turcotte-Pugh分類分類について説明して下さい.


  • 腹水,肝性脳症,血清ビリルビン値,血清アルブミン値,プロトロンビン時間の5項目を1〜3点でスコア化し,合計点数によってClass A(5-6点),B(7-9点),C(10-15点)に分類したものです.

  • 肝硬変の重症度評価,周術期リスク評価,予後予測に一般的に用いられています.

Child-Pugh分類

【補足・解説】

  • 周術期死亡率(30日以内)はA:10%,B:30%,C:80%が目安.

  • 手術の是非は,A:手術可能,B:周術期の慎重な管理が必要,C:手術以外の方法を検討すべき,と評価します.

  • 肝性脳症分類は正確に覚えるのはちょっと大変ですが,I度はほとんどわからない,Ⅱは時々傾眠や異常行動,羽ばたき振戦が出てくるが興奮なし,Ⅲ度はしばしば興奮やせん妄や嗜眠傾向など,Ⅳは昏睡でJCSⅢ-200程度,VはJCSⅢ-300程度と覚えましょう.



Q. 【🌟☆☆】 MELDスコアについて説明してください. 


  • 血清ビリルビン値 (mg/dL),血清クレアチニン値 (mg/dL),PT-INRを用いて,以下の計算式で算出されます.

  • 3.78 × 血清ビリルビン値 + 11.2 × 血清クレアチニン値 + 9.57 × PT-INR + 6.43

  • 10未満が軽症,10~19が中等症,20以上で重症です.


【補足・解説】

  • 正確な予後予測のため,血清Na値を加味したMELD-Naスコアも使用されています.

  • Child-Pugh分類より予後予測能が優れているとされ,特に肝移植の優先順位決定に重要な役割を持ちます.

  • 式までは覚えなくてもいいと思いますが(使ってると自然と覚えるかもですが),20以上が重症というのは覚えておきましょう!

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