📘循環器系の異常②:周術期の心筋虚血・心不全・肺高血圧 | 麻酔科専門医試験対策 青本online
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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.
🔑 KeyWords
冠動脈攣縮 心筋虚血 冠動脈攣縮 ニトログリセリン ドブタミン 右心不全 肺血管抵抗 肺高血圧症 新生児遷延性肺高血圧症:PPHN 肺高血圧クリーゼ PDEⅢ阻害薬 一酸化窒素:NO
🔷 術中心筋虚血
🔹 冠動脈攣縮
Q. 【🌟☆☆】 周術期の冠動脈攣縮の原因にはどのようなものがありますか.
手術侵襲やストレスによるカテコラミン放出などの内因性因子,
β遮断薬の使用や血管作動薬の急な中止などの薬物因子,
浅麻酔や血管内容量減少などの麻酔管理に関連する因子があります.
また,低体温,電解質異常(特にマグネシウム低下),過換気,硬膜外麻酔後の交感神経遮断なども重要な誘因となります.
【補足・解説】
喫煙歴やアルコール多飲の既往,冠攣縮性狭心症の既往のある患者では特に注意が必要です.
そうしょっちゅう起こることではありませんが,昨年1例経験しました.急激にSTが上昇してショック状態にとあっという間でしたね.
冠動脈造影で誘発して確定診断にいたりました.
Q. 【🌟🌟☆】 術中に冠動脈攣縮が生じた場合にはどのように対処しますか.
まず手術操作を中止し,100%酸素を投与します.
麻酔深度の確認と過換気状態であれば是正を行います.
薬物はニトログリセリンを0.5〜1.0μg/kg/minで開始します(場合によりカルシウム拮抗薬の併用).
血圧低下に対しては輸液負荷と必要に応じてノルアドレナリンで対応します.
難治例ではIABP挿入を検討し,術後はICU管理とします.
また,原因薬剤の中止や体温管理,電解質異常(特にマグネシウム)があれば補正(硫酸マグネシウム2〜4g)を投与しますを行います.
【補足・解説】
ニコランジルの投与も行われますが,急性期にはより効果発現の早いニトログリセリンとカルシウム拮抗薬が第一選択となります.
Q. 【🌟🌟☆】 冠動脈攣縮が解除された後はどのように再発予防を行いますか.
カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム0.5〜2μg/kg/min),ニコランジル(0.5〜2mg/h),ニトログリセリン(0.1〜0.5μg/kg/min)などを持続静注します.
12誘導心電図のモニタリングを行い,術後はICUで管理します.
低体温や電解質異常(特に低マグネシウム),過換気を避け,十分な鎮痛を行います.
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