📘脳外科手術②:脳外科領域の合併症 | 麻酔科専門医試験対策 青本online
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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.
🔑 KeyWords
痙攣発作 脳血管攣縮 過灌流症候群 尿崩症
🔷 脳血流低下・脳虚血
Q. 【🌟🌟☆】 術中に脳血流の低下(NIRS等で)が疑われたときにはどのように対処しますか.
まず換気・循環が保たれているかの評価を行います.
原因検索として,血圧低下,心拍出量低下,換気異常,手術操作の影響,頭位の影響などを確認します.
対応としては,適切な輸液・輸血管理による循環血液量の最適化,昇圧薬による平均動脈圧の維持(最低60〜65mmHg以上),適切な呼吸器設定(過換気の是正,適切なETCO₂の維持).頭位は可能な範囲で中立位にします.
手術操作が原因と思われる場合には,必要に応じて手術操作の一時的な中断を検討します.
【補足・解説】
両側ともに低下する場合は,ほぼほぼ灌流圧の低下かと思われますので,十分な輸液と昇圧を行いましょう.
片側のみの低下の場合,シールの剥がれなどなければ血栓による脳梗塞等の可能性もあります.
NIRSについてはこちらも参照↓
🔷 周術期の痙攣
Q. 【🌟🌟☆】 術中〜術後(覚醒後・抜管前)に痙攣が起きた場合はどうしますか.
術中であればまず一旦中断し,脳表の冷却等を行うこともあります.
どちらの状況でも,プロポフォールやミダゾラムなどのベンゾジアゼピン系薬物を痙攣が収まるまで投与します.痙攣予防にフェニトイン15〜20mg/kg程度(最大250mg)を15〜20分ほどかけて点滴静注します(血圧低下,徐脈要注意).
抜管前の痙攣では抜管は中止し,状態が安定するまで鎮静を継続します.
原因検索のため,電解質,血液ガス分析,頭部CT(出血や脳梗塞)を行い,原因に応じて対応します.瞳孔もチェックしておきましょう.
再出血や脳梗塞など緊急性の高い所見がなければ,ICUで経過観察を行います.
🔷 脳出血・くも膜下出血後の合併症
Q. 【🌟🌟🌟】 脳出血・くも膜下出血手術の周術期に生じることのある,神経学的合併症を挙げてください.
術直後から早期(24〜48時間以内)には,再出血,水頭症,痙攣,脳浮腫による頭蓋内圧亢進症状(頭痛・嘔吐など)が起こりやすいです.
くも膜下出血の術後4〜14日目には脳血管攣縮が好発し,脳梗塞様症状や意識障害を引き起こす可能性があります.
また,SIADH(抗利尿ホルモン不適切分泌症候群)による低Na血症も注意が必要です.
【補足・解説】
脳血管攣縮についてはこちらも参照↓
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