📘呼吸器系の異常②:気管支痙攣・緊張性気胸・各種肺水腫 | 麻酔科専門医試験対策 青本online
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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.
🔑 KeyWords
気管支喘息 気管支痙攣 緊張性気胸 心原性肺水腫 再膨張性肺水腫 陰圧性肺水腫 神経原性肺水腫 喉頭痙攣
🔷 気管支喘息・気管支痙攣
Q. 【🌟☆☆】 気管支喘息発作と気管支痙攣の違いについて述べてください.
気管支喘息発作はアレルギー性炎症に基づく,気道過敏性の亢進による反応です.遷延性があります.
気管支痙攣は気道への刺激による一過性の気管支平滑筋収縮で,刺激除去により早期に改善します.
【補足・解説】
意外とごっちゃにしている人が多かったもので・・・笑
気道への刺激は,気管挿管操作,気管支ファイバー挿入,気管支の位置異常(特に気管分岐部への刺激),気管吸引操作,気道分泌物の貯留などです.
化学的な刺激として,胃液や食物残渣の誤嚥,唾液の誤嚥などがあります.
Q. 【🌟🌟🌟】 術中に喘息発作や気管支痙攣を起こした場合にはどのように対応しますか?
術中の喘息発作や気管支痙攣では,まずFIO₂と吸入麻酔薬濃度を上昇させ,気道刺激因子の除去と分泌物が多い場合,吸引を行います(やさしくね).
β₂刺激薬を回路内に2パフ吸入し,中等度以上の発作ではステロイド投与を考慮します.重症例ではアドレナリンの皮下注も考慮します.
🔷 気胸・緊張性気胸
🔹 緊張性気胸の基礎知識
Q. 【🌟🌟🌟】 緊張性気胸の病態について説明してください.
チェックバルブ機構により胸腔内に漏れた空気が蓄積し,胸腔内圧が進行性に上昇することで生じる病態です.
その結果,静脈還流低下と縦隔圧排による心拡張障害により高度の血圧低下等の循環不全を来し,同時に肺虚脱による呼吸不全も生じます.
症状として,高度な低血圧,低酸素血症,頻脈,脈圧減少,頸静脈怒張,皮下気腫などが出現し,緊急処置が必要な病態です.
【補足・解説】
手術室で遭遇したことはないのですが,車椅子で5mの高さから転落した患者さんが運ばれてきた際に,すでに緊張性気胸で心肺停止寸前になっていました.
胸腔ドレーンを入れるために切開して,ペアンで道を作った瞬間にものすごい勢いで空気が吹き出し,循環が戻ったのを思い出します.
🔹 緊張性気胸の診断と対処
Q. 【🌟🌟🌟】 術中の緊張性気胸の徴候にはどのようなものがありますか.
呼吸系では換気量低下,気道内圧上昇,胸郭運動の左右差が見られます.
循環系では血圧低下,脈圧狭小化,頻脈から最終的に徐脈へと移行します.
また,頸静脈怒張や皮下気腫も重要な所見です.
肺エコーではseashore signの消失(バーコードサイン)が特徴的です.神経ブロック用のエコーで十分観察可能ですので,疑ったらすぐに使用しましょう.
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