📘心臓血管外科①:基礎知識・トロンボエラストグラフィ | 麻酔科専門医試験対策 青本online
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【🌟☆☆】:直接聞かれることはないが,基礎知識として必要
【🌟🌟☆】:問われる可能性があり,おさえておいたほうがよい.
【🌟🌟🌟】:問われる可能性が高く,重要です.
🔑 KeyWords
深部温 胸骨切開 トラネキサム酸 トロンボエラストグラフィ ROTEM TEG EXTEM INTEM HEPTEM APTEM FIBTEM 血小板機能 凝固因子欠乏 フィブリノゲン ヘパリン
🔷 心臓外科の基礎知識
Q. 【🌟☆☆】 心臓外科手術において,体温をモニタリングする場所を挙げてください.
膀胱温,食道温,直腸温,皮膚温,血液温(肺動脈カテーテル)などです.鼓膜温を用いる施設もあると思います.
直腸温はう○こ温のこともある上に,知らない間に脱落することもあります.また外界とも近いので中枢温としての信頼度は低いです.
【補足・解説】
以下の中枢温の指標について一言ずつ.
食道温:心臓に近く,迅速な変化を反映
膀胱温:尿量の影響を受けるが,安定した測定が可能
血液温(肺動脈カテーテル必要):最も正確だが,侵襲的
鼓膜温:非侵襲的だが,測定の安定性に注意が必要
末梢温は末梢循環の評価に有用ですね.中枢温との開きが大きいとシバリング必発・・.
🔹 心臓外科手術のモニタリング
Q. 【🌟🌟🌟】 一般に開心術ではどのようなモニタリングが使用されますか(標準モニター以外で).理由も合わせて説明してください.
動脈ライン(血圧変動の早期発見),
オキシメトリ付きCVカテーテル(CVP,ScvO₂)or 肺動脈カテーテル(右心系評価,PAWP):前負荷の指標,静脈血酸素飽和度測定による,心拍出量や酸素需給バランスの評価
NIRS:脳虚血の早期発見.特に頸動脈の狭窄がある場合.左右差に注意.
BIS:麻酔深度の指標.特にCPB中はプロポフォール投与が多いため.
TEEによる心機能評価・前負荷評価も用いられます.
トロンボエラストグラフィ:TEGやROTEM.適切な血液製剤の使用のため.
【補足・解説】
🔹 開胸・開心術その他の基礎知識
Q. 【🌟🌟🌟】 開心術の胸骨切開時に,麻酔科医として注意することは何ですか?
鎮痛が不十分な場合,血圧の急上昇が起きます(その後の開胸器装着でさらに).
切開前までにフェニタニルの追加投与やレミフェンタニルの持続投与量を増加させておきます.
また,ボーンソーによる肺損傷のリスクがあるため,一時的に換気を中止し,肺を虚脱させます.
Q. 【🌟🌟☆】 心臓外科手術の術野にCO₂ガスを流す理由を説明してください.
空気塞栓予防が主な目的です.
CO₂は空気より比重が重く,また血液への溶解度が高いため,心腔内や血管に入っても速やかに血液に溶解して塞栓のリスクを減らすことができます.
Q. 【🌟☆☆】 心臓手術におけるトラネキサム酸の投与方法を説明してください.
麻酔導入後〜手術開始後早期に負荷投与(1g程度)を行います.
その後,維持投与(1g程度)を人工心肺中に追加します(体重換算では,負荷量10〜20mg/kg,維持量1〜2mg/kg/時程度)です.
【補足・解説】
確立された投与方法はありません.初回投与のみを行う施設もあります.
総投与量は5g程度にとどめます(痙攣のリスクあり)
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